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政府系商工中金、一大不正発覚、新社長の「経歴書」…名門銀行の大粛清主導した「四人組」

文=編集部
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暴走経営を見逃した社外取締役が社長就任

 小畠氏は10年9月、国内初のペイオフを発動された日本振興銀行の社長だったことがある。同行は木村剛氏がつくった銀行だ。木村氏などが金融庁の検査を妨害した容疑で逮捕されたため、急遽、社長に就任した。

 小畠氏はペイオフの発動を受けて10年9月10日、社長として緊急会見に臨んでいる。“まともな”自己査定を行った結果、日本振興銀行はあっという間に経営が瓦解した。その小畠氏は、高杉良著の小説『金融腐蝕列島』のモデルにもなり、映画化されている。

 小畠氏は、振興銀行の開業直後の04年6月に社外取締役に就任している。木村氏は著書『金融維新』のなかで、社外取締役の役割について、こう書いている。

「社外取締役なんてお飾りでしょ――という醒めた指摘があるかもしれない。しかし、この振興銀行だけは別である。というのは、外部取締役が、銀行内部に経営監視本部という実行部隊を持っているからだ。そして、その部隊に関しては、人事権も(社外取締役が)発動し得る体制になっている。外部取締役がブレーキを踏む権限を実質的に持っているのだ。

 執行部はアクセルを噴かし、外部取締役はブレーキを利かせる。そういう牽制体制を名実ともに作り上げることによって、日本振興銀行は、アクセル部門とブレーキ部門を完全に分離した、日本一厳しい初めてのガバナンスを実現する」

 木村氏が誇らしげに強調している社外取締役の役割とは、経営監視本部を拠点にして、経営陣に対してブレーキを掛ける権限を有している点だった。

 木村氏の社外取締役論に従えば、小畠氏は取締役会議長として振興銀行の暴走経営にブレーキをかける立場にあった。しかし、小畠氏やほかの社外取締役がブレーキをかけた形跡はない。

 アクセルを踏みっぱなしの木村氏を黙って傍観していただけではなかったのかという厳しい見方がある。極論するなら、「社外取締役は、その職責をまっとうしていなかった。取締役会議長の小畠氏と木村氏は、経営責任において同罪なのではないか」という指摘である。

 それなのに、小畠氏は社長に就任した。現職社長の逮捕という緊急事態で火中の栗を拾わざるを得なかったのかもしれないが、尋常ならざる人事であったことは確かだ。
(文=編集部)

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