2017年12月26日、オプティマスグループが同年最後の上場企業となった。オプティマスは東京証券取引所第2部に上場し、初値は公開価格を11.2%上回る2001円だった。終値は初値より高い2325円。同社は中古車輸出業者で、ニュージーランド向けが主力。
17年のIPO(新規株式公開)社数は90社で、15年の92社に次ぐ多さになった。90社のうち初値が公開価格を上回ったのは82社、下回ったのは8社だった。
公開価格から初値までの上昇率トップは、11月29日にジャスダックに上場した、金融関連会社のシステムを開発・保守・運用するトレードワークスで、“初値倍率”は6.18倍だった。
年末は株高を追い風に上場ラッシュとなった。12月のIPOは22社に達し、年間社数の4分の1近くが12月に上場した。東証1部に直接上場する案件が6社あったのが特徴だ。
佐川急便のドライバーにも億万長者?
15年は日本郵政グループ3社、16年はLINEといった大型銘柄が上場したが、17年最大の上場は佐川急便の持ち株会社SGホールディングス(SGHD)だ。12月13日、東証1部に新規上場した。公開価格(1620円)を17.3%上回る1900円で初値を形成。その後も株価は上昇し、12月29日に2340円の上場来高値をつけた。日立物流との経営統合の思惑が買い材料になっている。
SGHDの初値に基づいた時価総額は6102億円。ヤマトホールディングス(13日の終値ベースで9680億円)、日本通運(同7445億円)に次ぐ規模となった。従業員持株会が大株主のため、“飛脚便”のドライバーのなかにも大金を得た人がいるとみられている。
12月13日にはマツオカコーポレーションが東証1部に上場した。初値は公開価格(2600円)を46.2%上回る3800円となった。ファーストリテイリングが運営するユニクロ向けがメインのOEM(相手先ブランドによる生産)企業。「値がさ株で最低投資単位が440万円のファーストリテイリングに手を出せない向きがマツオカを代替株と捉えている」(市場関係者)。ユニクロ以外の衣料品メーカーに食い込めるかどうかが、今後の株価上昇のカギを握る。マツオカコーポレーションの12月28日の高値は4005円で、上場来高値だ。
ユニークなのは、歯科材料の通信販売会社、歯愛メディカル。全国の歯科医院の90%にあたる7万件と取引がある。12月18日にジャスダックに上場し、初値は公開価格(3300円)を22.1%上回る4030円をつけた。プロ向けマーケットのTOKYO PRO MARKET(TPM)に上場していた銘柄で、ジャスダック上場に伴いTPMを上場廃止になった。変則的な“くら替え上場”である。