再上場組は中古住宅の再生販売会社のカチタス。12月12日、東証1部に上場した。初値は公開価格(1640円)を1.5%上回る1665円。旧社名は、名証セントレックス市場に上場していた「やすらぎ」。12年アドバンテッジパートナーズ系のファンドのTOB(株式公開買い付け)により上場廃止になり、13年に商号をカチタスに変更した。
17年4月、ニトリホールディングスが34%の株式を233億円で取得し、持ち分法適用会社とした。“ニトリ銘柄”として株価は上昇。12月26日には初値を73.0%上回る2880円の上場来高値をつけた。
12月19日に東証マザーズに上場した「みらいワークス」は、“働き方改革銘柄”として注目された。新規事業を立ち上げる顧客の要望に応じ、フリーで活動するプロの人材を派遣するビジネスモデルで成長を続ける。人手不足を背景に初値は6080円と公開価格(1840円)の3.3倍に膨らんだ。その勢いは止まらず、株価は1万円を突破し、12月28日には一時、1万3490円の上場来最高値をつけた。初値から2.2倍となった。
AIベンチャーが注目株
16年までは、バイオやスマートフォン開発の企業がIPO市場の主役だったが、17年はAI(人工知能)が取って替わった。
東京大学発のAI開発ベンチャー、PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)は9月12日、東証マザーズに上場した。成長分野とされるAI分野のベンチャーだけに投資家の関心が高く、上場初値は5480円と公開価格(2400円)の2.3倍をつけた。
同社は機械学習技術を用いて対話や画像認識などのAIアルゴリズム(計算手法)を企業に提供する。上場時にトヨタ自動車から出資を受けたことで一段と買いが殺到し、10月18日に1万4500円を付けた。12月29日の時価総額は1721億円で、上場初値から1021億円増えた。17年に新興市場にIPOした企業(71社)の時価総額増加ランキングで首位となった。
時価総額増がランキング2位のティーケーピー(TKP)は、貸し会議室を運営する。空きスペースを有効活用する会議室版の“シェアリングエコノミー銘柄”だ。11月には10億円を投じ、大塚家具と資本業務提携した。直近の時価総額は927億円と上場時の2倍となった。
12月25日にジャスダック市場と名証2部に上場したABホテルは、愛知県が本社でビジネスホテルを運営している。典型的な“インバウンド(訪日観光客)関連銘柄“である。公開価格1500円に対して初値は3060円。2日連続ストップ高を経て、12月29日には6300円の上場来高値をつけた。