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政府系商工中金、一大不正発覚、新社長の「経歴書」…名門銀行の大粛清主導した「四人組」

文=編集部

 第一勧銀は2000年10月、富士銀行、日本興業銀行と共同で設立する金融持ち株会社の傘下に入った。02年4月、世界最大のみずほフィナンシャルグループの子会社として再編された。3行による熾烈な派閥抗争の結果、富士銀=興銀連合が勝利し、第一勧銀は完敗。「四人組」は新体制のもとでは居場所がなくなった。

西武グループでサーベラスと対峙

 後藤氏はみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)副頭取となり、次期頭取を目前にしていたが、05年に堤義明・元コクド会長の総会屋利益供与事件に揺れる西武鉄道グループへ移った。体よく、みずほグループから追い出されたのである。その後、西武鉄道は上場廃止になった。

 後藤氏は腹心の部下を連れて行った。みずほ銀行広報室長を務めていた関根氏だ。後藤氏は、堤氏の影響を排除するために西武グループを持ち株会社体制へ移行させ、西武HDの傘下に西武鉄道とプリンスホテルをぶら下げた。

 関根氏は西武HDの取締役に就いたが、事実上のナンバー2だった。09年、プリンスホテルの取締役を兼務した。

 西武HD再上場への最大の難関は、プリンスホテルの業績低迷の克服にあった。12年、関根氏は同社の立て直しという大役を担い、取締役常務執行役員の仕事に専念する。

 再上場をめぐり、大株主のサーベラスと西武HDの経営陣の間で激しいバトルが繰り広げられた。サーベラスは西武HDを抑え込む上で、関根氏を最大の障壁とみなし、後藤氏と関根氏の不仲説を流すなど情報戦を展開した。しかし、後藤=関根チームはサーベラスの意のままにならなかった。経営陣が主導して14年4月、西武HDは再上場を果たした。

 小畠氏は「江上剛」のペンネームで作家に転身し、現在はテレビ番組でコメンテーターとしても活躍している。関根氏は、小畠氏が第一勧銀の広報部次長だった時の部下だ。小畠氏は小説『座礁 巨大銀行が震えた日』(朝日文庫)の登場人物のモデルが関根氏だったと語っている。反社会勢力と対峙する広報の姿を描いた作品だ。

 関根氏は、裏でトップを支えてきた参謀タイプだが、初めてトップとして表舞台に立つ。商工中金で抜本的な改革を進めることができるか。手腕が問われることになる。

BusinessJournal編集部

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