図書館や学校の教室などの壁に貼られた世界地図。その製造・販売会社で四国・松山市に本社を置く株式会社世界地図は、「世界に井戸を掘る」という高邁な活動の原資づくりを目的として事業を展開している。今回は60歳を過ぎてこの新ビジネスを立ち上げた同社の代表、快男児・松岡功氏に話を聞いた。
第3世界に井戸を掘るために会社を興した
松岡代表(以下、松岡) 世界地図の製造・販売以外は何もしていません。創業して12年になります。今まで延べ550万枚の世界地図を販売してきました。
――御社の世界地図の現物がここにありますが、結構大きい。
松岡 標準的なものは、新聞紙を見開きにした大きさです。これよりやや小さいものも商品としてはありますが、大半は新聞紙見開き大のものをご購入いただいています。
――地球儀や日本地図は手がけていないのですか。
松岡 はい、当社は名前が示す通り、壁貼り型の世界地図一本です。
――松岡代表は74歳でいらっしゃるので、御社を創業なさったのは61歳のときですね。どんな経緯で創業なさったのですか。
松岡 四国の松山市で学習塾と予備校を長く経営していました。その時から、世界地図を生徒募集の販促物として活用していました。それで、世界地図を貼ってもらうということの効用の大きさに気がついたのです。生徒募集でも実際とても効果がありました。毎年松山市を中心に愛媛で10万枚を特に小中学校に配布して、自宅や教室に貼ってもらったのです。
――どのくらいの規模の塾を経営なさっていたのですか。
松岡 3,000名の生徒を集めていまして、県下で2番目の規模でした。東進衛星予備校のフランチャイズにもなっていまして、東進予備校傘下のフランチャイズ塾としては全国最優秀加盟校として10年間連続全国1位表彰されています。
――大成功なさっていたのですね。
松岡 60歳を過ぎましたので、塾を東進の運営元であるナガセに引き継いでもらい、これからは自分の時間を持とう、と思ったわけです。
――それで、すぐに世界地図ビジネスに転進なさったのですか。
松岡 私は実はボランティアをするのが大好きだったんですね。ですからできた自分の時間をボランティア活動に使おう、と思いました。