「代表的なところですと、岩手県産株式会社が販売する『Ca va?(サヴァ)缶』(編注:「C」の正式表記はセディーユを付したフランス語)というものがあります。オリーブオイル漬け、レモンバジル味、パプリカチリソース味の3種類を現在ラインアップしており、ポップな見た目や、『お元気ですか?』という意味のフランス語『Ca va?』を商品名にあしらったことで、オシャレなサバ缶として人気を博しています。前述の洋食サバ料理ブームや女性層の需要を受けて開発された商品ですが、男性からも高い反響を得ているそうです。
珍しいものとしては、長崎県の松浦市で生産されている『旬(とき)さば缶』。しょうゆ煮、水煮、みそ煮という一般的なラインアップですが、サバのなかでも最高級ブランド『旬さば』の最高級部位のみを使用したもので、1缶1000円という高級路線ながら高い人気を誇っています。
また、6月に発売されたばかりの『No.38(ナンバーサーティーエイト)』も、異色のサバ缶として話題となっています。もともとは大阪の広告制作会社であるアバランチが設立20周年の記念品としてつくったものだったのですが、あまりの人気に商品化が進められました。料理のようなサバ缶をテーマに、三種の厳選胡椒仕立て、辛味引き立つガーリックオイル仕立て、スパイス香る芳醇カレー仕立ての3種をラインアップしており、こちらも1缶1200円という高級路線ですが人気を博しています」(同)
最後に、サバ缶を料理に使う際のポイントと、日本酒にぴったりのサバ缶を使ったおつまみのレシピを教えてもらった。
「サバ缶を料理に使う際には、汁も捨てずに利用することをオススメします。サバ缶の汁にはサバの旨味や栄養が溶け出しているため、料理に入れればそれだけで旨味と栄養価がアップします。それこそコンビニで売っているカップスープやカップみそ汁であっても、サバ缶の身と汁を少し入れれば味わいが格段に上がります。
また、お酒を飲む方でしたら、水煮缶を使ったレシピはいかがでしょうか。サバの水煮と野沢菜と大根おろしを器に盛るだけの簡単レシピですが、日本酒との相性が非常にいいおつまみになります。しっかり混ぜても、そのままで食べても美味しいので、お好みに合わせてお召し上がりください」(同)
多種多様な進化を遂げたサバ缶。いろいろなサバ缶を試してみてはいかがだろうか。
(文・取材=A4studio)