大手焼き鳥チェーン鳥貴族ホールディングスの大倉忠司社長は5日、“トリキの系列店”を騙る悪質な客引きが歌舞伎町や渋谷などで横行していることについて、自身のTwitterアカウントで異例の注意喚起を行った。
【拡散希望】
— 大倉 忠司 (@TadashiOokura) December 5, 2021
皆様気をつけてください!
鳥貴族は客引きを一切していませんし、焼鳥屋、居酒屋の系列店はありません。
IR資料によると、同社はグループ会社として「鳥貴族」とチキンバーガー専門店「TORIKI BURGER」を経営しているが、いわゆる系列店はない。なお大倉社長は上記の投稿の後で「鳥貴族大倉家」「鳥貴族中西家」が系列店であることを付け加えた。
「系列の店におつれします」客引き被害の報告が相次ぐ
大倉社長が同投稿に至る前、Twitter上では新宿・歌舞伎町や渋谷などで、”鳥貴族に行こうとしたら悪質な客引きにつかまり、ぼったくり被害に遭った”などという被害報告が相次いでいた。
Twitter上で投稿されていた被害報告をまとめると、鳥貴族の店舗の路上などにいる客引きから「(鳥貴族は)混雑していて今は空いていない」などと言われ、「系列で空いているとこをお連れします」などと客引きが契約している焼き鳥店に誘導されるのだという。誘導先の店舗では高額の席料、年末料金、週末料金など請求される事例もあったようだ。
投稿者の中には鳥貴族店舗の入り口近くで同様の声かけに遭い、「無視して鳥貴族に入ったらすんなり入れた」との報告もあり、同社店舗の客を狙い撃ちにしている可能性も浮上している。
生活安全部門での勤務経験の長い元警視庁関係者は次のように語る。
「それぞれの被害報告が事実だとすれば悪質です。とはいえ、昔から使われ続けている手口ではあります。十数年前は他の大手居酒屋チェーン店やカラオケ店の名前を出すのが流行っていました。今は鳥貴族さんが、客引きの間で“成功率の高いターゲット”になっているということでしょう。コロナ禍ということもあり、ふらっと立ち寄る場合でも、事前に店側に連絡したほうがいいかもしれませんね。
新宿区内に関しては、2013年に『新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例』が施行され、16年には罰則規定も設けられました。以降、警察も取り締まりを強めています。仮に店舗の前で同様の行為を行う怪しい客引きがいたら、ためらうことなく警察に相談していただきたいです」
年の瀬も迫り、“焼き鳥を肴に軽く一杯”という場面も増えることだろう。思わぬ被害に遭わないよう気をつけたいものだ。
(文=編集部)