韓国であるCMが“女性蔑視だ”として物議を醸している。9日、「서울우유(ソウルミルク)」が同国内のTwitterでトレンド入りした。同国大手テレビ局のSBSも「『여성을 젖소로 비유한 서울우유, 비판 쏟아지자 광고 영상 ‘삭제’』(女性を牛に例えたソウルミルク、批判殺到でCM削除)と大きく報じている(以下参照)。
여성이 젖소로 변신…서울우유 광고에 누리꾼 ‘분노’ #SBS뉴스 https://t.co/fx9qlPiuHf
— SBS 뉴스 (@SBS8news) December 8, 2021
SBSや複数の韓国紙の報道によると、問題となったのはソウル酪農協同組合が販売する牛乳ブランド「ソウルミルク」の52秒CM。同組合は先月29日、公式YouTubeチャンネルで公開した。どんなCMなのか動画を視聴してみたところ、以下のような内容だった。
<森の中で被写体を探すテレビカメラを持った男性が突如カメラを向けると、その先には清流で水を飲んだりくつろいだりしている白い服を着た若い女性たちの姿が。その後、シーンが切り替わり、牧草地で先ほどの若い女性らがヨガを始める。カメラマンの男性が女性たちに近づこうとして、足元の枝を踏んでしまった瞬間、女性たちが“乳牛”に変る>
この動画に対し、Twitter上などでは「女性を牛に例えるのは不適切」「男性による女性の違法撮影を助長している」などと批判が殺到。一方、ソウルミルクは当該CMを削除し謝罪。「自然の清浄さを表現しようとした」などと説明している。
過去に全裸の女性にヨーグルトを吹きかけるイベント開催
韓国紙記者は騒動を次のように解説する。
「ソウルミルクは2003年1月に新発売したヨーグルト製品のPRで、女性の裸にヨーグルトを塗るパフォーマンスを行い、日本でいうところの公然わいせつ罪に問われました。2006年に同社のマーケティング責任者に罰金500万ウォン、参加したモデルに50万ウォンが課されています。
同社は『身体に塗っても良い』という新商品コンセプトを打ち出すつもりだったようで、一般の観客と記者約80人の前で、小麦粉をまとまった全裸の女性モデルに男性観客がヨーグルトの入った噴霧器をかけて、赤裸々な姿にするという……ちょっと形容しがたいイベントで、韓国国内で大きな批判を巻き起こしたのです。
そうした過去の経緯があったため、今回のCMで同社が再び女性を“物”“動物”として見ているのではないかとの反発が高まっているのです」
すでにTwitter上では同社製品の不買運動の呼びかけも始まっているようで、混乱は拡大しそうだ。
(文=編集部)