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垣田達哉「もうダマされない」

今すぐ緊急事態宣言を発出すべき理由…日本経済・社会に最大の利益をもたらす

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表
今すぐ緊急事態宣言を発出すべき理由…日本経済・社会に最大の利益をもたらすの画像1
「gettyimages」より

今、緊急事態宣言を発出しないと、さらに経済が回らなくなる

 新型コロナウイルスの一日当たりの新規感染者数が東京都で1万人を超え、全国では7万人を超える状況になった。政府は27日現在、全国34都道府県に「まん延防止等重点措置」を適用したが、緊急事態宣言については慎重な姿勢を見せている。

 そうしたなか、東京都では新型コロナ感染者入院用の病床の使用率が50%目前に迫っており(26日時点で42.8%)、都は50%に達した場合は国に緊急事態宣言を要請することを検討するとしているため、同宣言の再発出の可能性も取り沙汰され始めている。

 しかし、オミクロン株はデルタ株よりはるかに感染力が強く、全国の感染者数は1月4日に1000人を超えると、12日に1万人、18日に3万人、そして26日に7万人を超えた。4日を起点にすると、12日までの8日後に10倍、14日後に30倍、22日後に70倍と増えている。

 第5波は、昨年の6月15日に1000人を超えてから、7月22日に5000人、8月3日に1万人を超え、8月20日にピークの2万5992人になっている。1000人超えから26倍のピークまで約2カ月超かかっている。今回のオミクロン株が主体の第6波は、1カ月も経っていないのに70倍以上増え、ピークが何万人なのか何十万人なのか見当もつかない状況だ。オミクロン株の感染力がいかに高いかがよくわかる。

 その象徴的なのがテレビ界・芸能界だ。アナウンサー、俳優、タレント、お笑い芸人の感染者の発表を見ていると、その数やテレビ番組、舞台などへの影響は第5波までとは雲泥の差に思える。

 感染者が増えて経済的打撃が大きくなり、さらに社会機能が維持しづらくなったので、国は1月14日、濃厚接触者の待機期間を14日間から10日間に、エッセンシャルワーカー(社会機能維持者)は6日間とした。しかし、それで社会や経済が潤滑に機能するとは到底思えない。エッセンシャルワーカーの負担を減らし社会機能を維持するためには、人流を抑えて感染者を減らすことだ。さらに経済を回すために一番効果があるのは、感染者を減らすことだ。経済が回らないからといって人流を減らすことなくだらだら回していると、いつまでたっても感染者が減らない恐れがある。

 エッセンシャルワーカーの職場だけでなく、一般の企業であっても、感染者が増えれば会社は機能しなくなる。いくらパートやアルバイトを増やそうが、在宅勤務にしようが、働くことができる人員が減れば仕事はスムースに進まない。

 工場でも事務職でも、10%の人が2週間休業しなければならないとなると、代替要員が集まるだろうか。しかも、感染者が次々と出るようなことになれば、そうした状態が1~2カ月続くことになり、生産性は極端に下がるはずだ。

 そのような状況になる前に、一刻も早く緊急事態宣言を出し、できれば過去の宣言より厳しい人流抑制策を出すことで、一日も早く第6波を乗り切ることが、経済界にとっても最大の利益をもたらすはずだ。

時間稼ぎが必要な現状

 感染拡大を止められない理由の一つが、3回目のワクチン接種率が低いことだろう。ワクチンが足りない、行政側の準備が遅れているといったことが主な要因だが、簡単にいえば準備不足であり、新型コロナウイルスを甘く見ていた結果だ。

 昨年10月7日に全国の感染者数が1000人を切ってから、今年1月4日に1000人を上回るまでに約3カ月間かかったことで、政府や国民に「終息したかのような錯覚を与えた」可能性が高い。「日本人にはファクターXがあり感染しにくい」といった甘い考え方も広がっていたのではないだろうか。この期間に新政権も誕生し、年末年始を迎えたこともあり、一種のお祭り気分に浸っていた人たちもいたのではないだろうか。日本全体が油断していた結果が今の事態を招いたといっても過言ではない。

 過ぎたことはのちの検証に任せるとして、今しなければならないことは「迅速な3回目のワクチン接種」と「飲み薬等の薬の確保」、そしてもっとも大事なのが「3回目摂取の必要性の認知」である。日本ではワクチンを2回摂取した人は約1億人、人口の約80%もいる。そんな状況なのに、感染者が増えている。「ワクチンは、重症を抑えても感染を抑えることはできないのでは」「今のオミクロン株に効いても、次の新しい株には効かないのでは」という疑問を抱いている人もいる。「3回で終わるのか」「3回接種しても結局感染するのではないのか」「4回、5回と永遠に続くのではないか」「3回以上摂取をした場合、副反応や子どもへの影響はないのか」といった不安を感じている人も多い。

 こうした疑問や不安を解消しないと、「何をしても感染し軽症ですむなら風邪と一緒だ」と思って、ワクチンも接種しないし行動自粛もしない人が増えるだろう。いや、ひょっとしてそれが最善策かもしれない可能性もある。

 これだけ感染が広がっても「まん延防止はするが緊急事態宣言はしない」というように、日本政府の方針は、いつまでたっても中途半端で、コロナに対して何をしようとしているのかハッキリしない。どんな手段でどこまで抑え込むのか、あるいはどんな手段でどこまで拡大を容認するのかが見えてこない。そのため国民は、どうすればいいのか疑心暗鬼になっている。

 ただ一ついえることは、このまま拡大を許していけば、経済には今以上に大きな打撃を与えるし、社会機能も維持できなくなる可能性が高い。いったん緊急事態宣言を出して、オミクロン株を抑え込んで、時間を稼ぐことで次の第7波、第8波に備えることが急務だろう。

(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)

※感染者数はNHKまとめ参照

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

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