ウクライナ外務省は10日(日本時間、以下同)、公式Facebookアカウント上で、ロシアで営業を続けているグローバル企業のロゴマークリストを公開し、ボイコットを呼びかけた。日本企業ではタイヤ大手ブリヂストンやヨコハマタイヤ(横浜ゴム)、三菱グループ(ダイヤマーク)などのマークが確認されており、各企業に影響が出る可能性がある。
9日にはロシア軍機によるウクライナ領内の小児科病院などの爆撃で大きな被害が出ている。同省は「ロシアの軍事攻撃により2週間で50人以上の子どもたちが死亡した」と述べ、「指定企業はロシアでの活動を完全に終了すること」や「世界の責任ある消費者、企業、政府」に対し、「ロシア内で活動するリストの企業の商品などをボイコットすること」などを求めている。その理由として「ロシア国内のグローバル企業の生産・供給活動や販売活動が同国の軍事予算に貢献している」ことなどを挙げた。
外国企業では、銀行大手Citibank、タイヤ大手ミシュラン、ファストフード大手バーガーキング、通信機器大手ファーウェイ、製薬大手ファイザーなどがリストアップされていた。
ここ数日、ロシア国内で活動するグローバル企業に関し、SNS上ではロシアからの「撤退」を求める声が高まっている。そうした背景から、ファストフード大手マクドナルドは8日、ロシア国内の全店舗を一時休業すると発表。さらにコーヒーチェーン大手のスターバックス、飲料大手コカ・コーラやペプシコも8日、事業の一時停止を発表した。
ウクライナ外務省のリスト公開に、横浜ゴム広報部は「現在、確認中です」と話した。経済団体関係者は「プロバガンダの一環の可能性もあるが、政府機関が特定企業名を挙げた上でボイコットを呼びかけるのは国際商慣習上、決して穏やかではない。直接、ロシアの軍事活動を支援しているとは言えない企業も入っている。日本政府は対応してくれないのだろうか」と困惑していた。
(文=Business Journal編集部)