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また、そもそも、スピーシーへの投資勧誘は行員Yが業務上知り得た個人情報によってなされたものであり、その点についての反省もない。なお、Yの代理人を務めるのは、三菱UFJの顧問弁護士とは別の弁護士とのことで、そちらからも回答が届いた。佐藤さんの関係者は「その内容は『……そのような不法行為を行なった事実はございません』というだけのもので、何の説明もない回答でした」と憤りを隠せない様子だった。
●被害女性が刑事告訴へ
実は、今回の問題が発覚した直後、三菱UFJの新橋支店長と課長の2人は、桃谷弁護士立合いで佐藤さんに面会している。佐藤さんらは、当然2人が謝罪に来たものだと思ったが、「2人は何も話さず、1時間ただうつむいているだけでした。桃谷先生はついに『あなたたちなんのために来たのか』と怒りました」(佐藤さん)という。当時は銀行側もどう対処したらよいのか苦慮していたのだろう。しかし、すぐに謝ってしまうと銀行の非を認めたことになるので、黙っていたのではないか。
佐藤さんは刑事告訴の準備中だ。最近はみずほ銀行による暴力団融資事件がクローズアップされているが、今後裁判を通して、YやKにスピーシーが反社会的勢力とつながっている認識はなかったのかどうかも明らかになるだろう。ちなみに、全国紙経済部デスクは「入行すぐの若手ならともかく、30歳の行員がスピーシーをマルチであると見抜けないはずはない」と言う。
(文=編集部)
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