実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文氏が18日、自身のYouTubeチャンネルを更新。東京五輪のスポンサー選定などをめぐり、大会組織委員会元理事で電通元専務の高橋治之容疑者が逮捕された事件を受けて、NHK党の立花孝志党首と共に電通の実態に迫っている。
立花党首はNHKの報道局スポーツ報道センターなどで勤務していた経歴があり、高橋容疑者とは「放送権を交渉する時の敵」という関係だったそう。当時、電通などが出資したスイスのISL(International Sports and Leisure)社にいた高橋容疑者は、外部の立花党首から見ても「神のような存在」だったという。
立花党首によると、98年のサッカー・フランスワールドカップの放送権料は6億円ほどだったが、02年の日韓ワールドカップではFIFA(国際サッカー連盟)側の代理人となった高橋容疑者が30倍以上の200億円を提示してきたという。
立花党首は「買えるわけがない」「国民が納得しない」と思ったそうだが、当時はBS放送などの隆盛でスポーツコンテンツの奪い合いが起きており、最終的には上層部の判断によって民放に40%ほど負担してもらう形で「200億円で買わされた」という。
そうした経緯もあって、立花党首は「高橋さんはデキる人」「恐ろしいおじさん」という認識を持っていたそうだ。
また、立花党首からすると今回の事件に関連して電通本社に東京地検特捜部の家宅捜索が入ったことは「今後の日本の政治や経済の転換になる」と感じるほどの驚きだったという。
堀江氏は「これまでは検察ですら潰されてしまうかもしれないような組織だった」と電通を評し、その巨大な影響力について語った。
メディア王・電通は「日本を支配していた」
堀江氏によると、国や人心をコントロールするためにはメディアが最も重要だという。長らく「メディアの王」だったテレビを支配していた電通は、実質的に「日本を支配している」といえるほどの強大な権力を持っていたそうだ。
その権力が垣間見える一例として、これまでは「電通を通さないとテレビCMが出せない」という構造があったが、これは本来なら「独禁法(独占禁止法)違反」になるような状態だったという。だが、なぜか「電通ならセーフ」という状況が生まれていたようだ。
しかし、近年はYouTubeの登場などでネットメディアが発達したことで「テレビの支配者」だった電通は絶対的な存在ではなくなった。
堀江氏は「相対的に電通の力が落ちてきている」と指摘し、それが今回の事件や電通本社への家宅捜索という異例の事態につながっているのではないかと推察した。
また、これまで「暴利をむさぼっていた」という電通が他社と競争するために大量の業務をこなさなくてはいけなくなり、その過程で過労死事件が起きた可能性にも言及した。
高橋容疑者が逮捕された容疑はきっかけに過ぎず、捜査の“本丸”は与党議員や電通なども関係した、もっと大きな疑惑なのではないかともいわれている。いずれにしても、今回の一件はメディアや国家における“電通支配”の崩壊を象徴する出来事といえるのかもしれない。