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格闘技を盛り上げていこうとする男たち…彼らにある“華”の正体

文=沖田臥竜/作家
3150FIGHT
「3150FIGHT」の模様

 去年の夏に大阪で開催されたRIZINに続き、付き合いのある選手から招待され、8月14日、同じく大阪で開催されたボクシング大会「3150FIGHT」へと行ってきた。

 私は、ある元世界チャンピオンともプライベートで親しくしていることもあり、格闘技の中でも特にボクシングが好きなので、どの試合も興奮しながら観戦していたのだが、ハーフタイムでその興奮はピークに到達した。なんとBAD HOPが登場したのだ。

 これまで格闘技は何度も招待され、観戦してきたが、コンサートというものには興味がなく、人生で一度も行ったことがなかった。そんな私が最近は、BAD HOPのライブには行ってみたいなと思っていたのである。それが突如、思いがけない形で叶ってしまったのである。感動するではないか。

 この日行われたボクシングの試合でいえば、やはり3分3ラウンドで行われたエキシビションマッチ、ヒロキング vs皇治戦である。

 皇治選手とは、現在もNetflixなどで配信されている、筆者が原作を務めたドラマ『ムショぼけ』にも出演してくれたという縁がある。ゆえに彼の試合を見るのは、嫌でも力が入る。

 実際、皇治選手がリングに立つ姿を見せられた時は鳥肌が立った。彼には、確実に華があったのだ。華というのは、格闘技の実力だけから生まれるものでない。持って生まれたカリスマ性も必要だ。この華がなければ、いくら強くとも、格闘家がテレビドラマに出演して、役者としての印象を残すことなんて、まずできない。特に台詞付きのお芝居ともなればなおさらだ。皇治選手はそれを軽くやってのけ、そして絵になっていたのだ。リングの上の皇治選手には、そんな格闘技選手の枠の収まらない華があった。

 ただ、どんな大会、どんな選手を観ていても、共通して伝わってくるのは、格闘技界を盛り上げていこうとするアツい姿勢だ。リングの上で戦う彼らの姿からは、自分が勝とうという必死さだけでなく、格闘技が持つ素晴らしさが、次の世代、また次の世代へと受け継がれていってほしいとする想いが感じられるのである。勝敗は各々だが、その想いはどの選手も同じなのだ。

 例えば、テレビでプロ野球の試合を観て、スター選手がプレイする姿を観て、野球を始める子供たちがいるように、リングの上で戦う自分たちの姿を観て、格闘技に興味を持ってくれたり、格闘技を始めてくれたりするきっかけになればと思いながら、お互いの魂をぶつけ、身を削り戦っているのである。まさに夢を与える仕事、華のある仕事といえるのではないだろうか。

 華のある選手たち。今後もそんな選手たちの試合をもっと観てみたいとあらためて思わされたのだった。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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