ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 日テレ特番に「動物虐待」と非難の声…
NEW

日テレ特番に「動物虐待」と非難の声…インコとメダカを使った無重力実験が波紋

文=佐藤勇馬
【この記事のキーワード】,
『クイズ!できる?できない?』の無重力実験が物議の画像1
日本テレビ『クイズ!できる?できない?』

 今月10日に放送された日本テレビ系バラエティ特番『クイズ!できる?できない?』で行なわれた無重力実験に対し、ネット上で「動物虐待ではないか」との批判が続出する事態が起きた。

 同番組は嵐の二宮和也がMCを務め、さまざまな疑問について「できるか」「できないか」の壮大な実験を行ない、スタジオのパネラーがその結果を予想するという内容。「時速160kmの豪速球は時速160kmの車で追送したら打つことができる?」「光る木はできる?」「セロハンテープでバスを動かすことはできる?」などの実験が展開された。

 問題となっているのは、Sexy Zoneの松島聡とロッチの中岡創一が検証を担当した「無重力実験」。小型ジェット機に乗って上空で一気に2000メートルを急上昇し、エンジンの出力を急激に弱めることで約20秒間の無重力状態をつくり出し、ラーメンが食べられるのかなどの疑問が検証された。

 続いて動物を使った検証が行われ、最初にインコが実験対象となった。「無重力でもインコは飛ぶことができるのか」を検証するというもので、中岡が無重力状態でインコを放すと回転しながら飛び、すぐに急降下して壁に着地した。慣れない無重力下で姿勢が制御できずに回転してしまったようで、結果は「無重力でインコはいつものように飛ぶことはできない」となった。

 最後にメダカの水槽が登場し、「無重力でメダカはいつものように泳ぐことができる? できない?」というクイズが出された。実験が始まると、無重力になった途端にメダカたちは一斉に頭を下にした姿勢になり、次にぐるぐると縦回転した。重力がなくなったことで身体が浮くのを抑えるために下向きに泳ぎ、しばらくすると上下がわからなくなって縦回転したのではないかとのことで、結果は「メダカはいつものように泳ぐことができない」となった。

 この実験に対し、ネット上では「面白かった」「知らないことが学べてよかった」といった声もあったが、それ以上に目立ったのが「動物実験にショックを受けた」という意見だった。「インコやメダカ可哀想だな…どれだけのストレスがかかったんだろう」「動物虐待にしか見えない」「インコは繊細でストレスに弱く、普通に飼ってるだけでも注意が必要なのに」「インコに何やってるの…パニックになると壁に激突して命を落とすこともあるんだよ」などと批判が相次ぐ事態となったのだ。

 また、メダカの実験については別のツッコミも続出した。1994年に向井千秋宇宙飛行士らがスペースシャトルに4匹のメダカを持ち込み、産卵・ふ化の実験が行なわれたのだが、この時に連れていったメダカは今回の番組と同様の条件による事前の実験で「無重力でも正常に泳げる」と確認されたメダカだった。一般的には無重力下で魚はぐるぐると回転運動するが、中には視力がよく周囲の景色によって姿勢を制御できるメダカもいるのだ。

 つまり、メダカの問題は30年近くも前に公的な実験によって「無重力で普通に泳げるメダカもいる」という検証結果が出ていることになる。番組では「宇宙ステーションで生まれたメダカは普通に泳ぐことができる」といった情報が紹介されたものの、先述の実験についてはまったく触れられず、疑問の声が集中した。

 今回の実験については「専門家の監修のもとで行なっています」との断りのテロップが入っていたが、無重力下で生きた動物を使った実験をするというのは刺激が強く、特に動物好きの人にとってはショッキングだったようだ。「時代錯誤」との声もあがっており、テレビ業界は動物を使った企画に関してしっかり考え直したほうがよさそうだ。

佐藤勇馬/フリーライター

佐藤勇馬/フリーライター

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

Twitter:@rollingcradle

日テレ特番に「動物虐待」と非難の声…インコとメダカを使った無重力実験が波紋のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!