コロナ禍の巣ごもり需要などをうまく捉え、今年4月時点で国内店舗数1023店舗を展開するスーパーマーケットチェーン「業務スーパー」。世界各地のメーカーから取り寄せた珍しい食品や、自社で製造することで実現させた高コスパの食品などが魅力だろう。なかでも業務スーパーファンの間で人気なのが冷凍食品。とりわけネット上でしばしば話題になるのが冷凍餃子だ。
30個入り254円(税込)で1個あたり約8円という驚愕のコスパが魅力の「肉肉餃子」や、27個入り354円(税込)で1個あたり約13円という安定した安さを保ちつつ、焼き餃子、水餃子、揚げ餃子と異なる調理法に対応したオールマイティさが魅力の「豚肉餃子」などは、絶大な人気を博している。
だが、ネット上では大容量ゆえの嬉しい悲鳴として「さすがに食べきれない」「量が多すぎて途中で飽きちゃう」といった悩みの声も見受けられる。そこで今回は、年間1000食の冷凍食品を食する冷凍食品マイスターで料理研究家のタケムラダイ氏に、業務スーパーの冷凍餃子のアレンジレシピを伝授してもらう。タケムラ氏の著書『1万食の冷凍食品を食べつくしたプロが考えた!!プラス1食材でバリエーション無限大!冷凍食品アレンジ神レシピ大全』(宝島社刊)から、簡単かつ癖になる味わいの冷凍餃子アレンジレシピを2つ、厳選してもらった。
「バンバンジー風餃子」:暑くなってきた季節にもぴったりのアイデアレシピ
まず紹介するのは、夏バテしたときでもさっぱり食べられるこのレシピ。バンバンジーといえば、茹でた鶏肉を細かく割き、キュウリなどと一緒にさっぱりいただく人気の中華料理。熱々のうちに鶏肉を割かねばならないなど、少々調理に手間がかかりがちな印象のメニューだが、このレシピではなんと鶏肉の代わりに冷凍餃子を使う。
用意する材料は以下。
・冷凍餃子(12個)
・きゅうり(1本)
・マヨネーズ(大さじ3)
・白すりごま(大さじ1)
・酢(小さじ2)
・しょうゆ(小さじ1)
・ごま油(小さじ1)
・一味唐辛子(適量)
・玉ねぎの薄切り(適量)
作り方は、まず「冷凍餃子(12個)」を袋の表記通りにプライパンで焼いておく。次に「きゅうり(1本)」を千切りにし、「マヨネーズ(大さじ3)」「白すりごま(大さじ1)」「酢(小さじ2)」「しょうゆ(小さじ1)」「ごま油(小さじ1)」「一味唐辛子(適量)」を、ボウルなどでよく混ぜ合わせておく。
準備ができたら大きめのお皿に、千切りにしたキュウリを敷き、その上にカリッと焼き上げた冷凍餃子を並べていく。その上から、混ぜ合わせておいたバンバンジーのタレを回しかけ、最後にお好みで「玉ねぎの薄切り(適量)」を乗せれば完成だ。
おしゃれな創作料理のようなそのビジュアルは、食欲をグリグリと刺激してくれること間違いなし。たまらず、お箸で餃子とキュウリ、玉ねぎを掴んで口に一口放り込んだ。皮のパリパリ加減、野菜のみずみずしいシャキシャキさ、そしてジュワッと口の中に広がる餃子の餡。異なる食感が次々と押し寄せ、どこか楽しさすら覚えるこの感じは、まさにバンバンジーといったところだろう。これらの食感をうまくまとめているのが特製のゴマダレ。なめらかなのに酢で軽やかさもあり実にバランスがよく、気づくともう一口食べてしまう。
タケムラさんは、タレに混ぜる一味唐辛子を「食べるラー油」に変えることで、「うま辛度」を手軽にグッと引き上げるさらなるアレンジも教えてくれた。逆にタレを作るのが面倒な人は、市販のゴマダレをかけてしまってもいいそうなので、見た目以上に手軽に作れるところも素敵な一品といえる。
「ピーマンの肉“詰めない”」:まさにアイデアの勝利、簡単激ウマレシピ
次は、なんとも不思議なネーミングのこちらのレシピをご紹介。家庭料理の人気レシピである「ピーマンの肉詰め」と冷凍餃子をコラボレーションさせたというのだが、その作り方は一体どうなっているのだろう。
用意する材料は以下。
・冷凍餃子(12個)
・ピーマン(6個)
・ウスターソース(大さじ1)
・トマトケチャップ(大さじ2)
・マスタード(小さじ1)
・ミニトマト(適量)
使う食材は6品と少なめなのがありがたい。作り方は、まず「ピーマン(6個)」のヘタと種を丁寧に取り除き、縦半分にカットして合計12個に切り分けておく。この次がポイントで、なんとフライパンに「冷凍餃子(12個)」を並べたら、その上にカットしたピーマンを帽子のように被せていく。
その後、冷凍餃子の袋の表記通りに焼いていく。基本的には被せて焼くだけのお手軽さがウリのレシピだが、ピーマンに焼き目を付けたい場合は、お好みで裏返して焼いてもいいとのことだ。焼きあがったら皿に盛り付けておく。
次に、ボウルなどに「ウスターソース(大さじ1)」「トマトケチャップ(大さじ2)」「マスタード(小さじ1)」を入れて、特製の合わせ調味料を作り、さらに皿に盛った「餃子詰めピーマン」にまわしかけていく。最後にお好みで「ミニトマト(適量)」を盛り付ければ完成だ。
面倒なひき肉を詰める作業を省き、餃子の上にピーマンをかぶせるという方法で仕上げたこのアレンジレシピ。一体どんな味なのかと期待を胸に一口いただいてみると、そのバランスに驚かされた。火が入ることで甘みとジューシーさが増したピーマンと、パリッと焼かれた餃子が絶妙にマッチしているのだ。餃子の魅力は野菜がもたらすジューシーさにもあるものだが、その部分をピーマンが見事にブーストしていた。
味付けに関しても、通常のピーマンの肉詰めにはない中華風の風味。そこに、ハンバーグソースを思わせる洋風の特製ソースの酸味とコクが合わさることで、実に新鮮な味わいを生み出していた。
味が一辺倒になりがちな業務スーパーの冷凍餃子だが、ちょっとしたアレンジでその印象をガラッと変える絶品グルメに早変わり。業務スーパーの冷凍餃子のボリュームに困っていたという方々だけでなく、このレシピが気になった人は、ぜひとも作って実際に味わってみてほしい。
(文=A4studio、協力=タケムラダイ/冷凍食品マイスター)