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マクドナルド、音MAD動画が微妙すぎ→2年前のモスバーガーの動画が再評価

文=Business Journal編集部
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マック、音MAD動画
マクドナルド公式Xより

 マクドナルドの公式Xが新商品「チーズベーコンポテトパイ」のCM動画を公開したところ、「クオリティが微妙すぎる」と大きな話題になっている。だが、完成度があまり高くないがゆえに、動画を加工してSNS上に投稿する人が続出。かえって関心を高める結果となっており、マックは狙ってクオリティを落としたのではないか、と推測する向きも出てきている。

 マクドナルドの公式Xは7月31日、新商品「チーズベーコンポテトパイ」を宣伝するための音MAD動画を公開した。「【音MAD】チーズ狂愛【上級者向け】」と題するこの動画は、福岡の民謡「九州炭坑節」の替え歌で、「月が出た出たー」のリズムに合わせて「チーズが出た出たー」と歌う内容。

 MAD動画とは、既存の動画や音声、画像などを、他人が勝手に加工・編集して再構成した動画を指す。単にMADともいわれる。企業の公式CMが加工されてネット上に出回ることはよくあるが、企業が自らMAD動画を発信することは珍しい。

 だが、今回のマックのMAD動画は“余白”が多く、完成度が高くないとの評価が噴出。その後、動画を加工してSNS上に投稿する人が続々と現れた。クオリティが微妙なことで、動画を加工する“職人”と呼ばれる人々の創作意欲をかきたてた格好だ。数多くの加工動画がSNS上で拡散され、時間の経過とともに注目度は高まっている。

 一連の流れを受け、このMAD動画の完成度が高くないのはマックの狙いなのではないか、と推察する向きも少なくない。

モスバーガーのMAD動画が再評価される

 一方で、マックの競合相手であるモスバーガーのMAD動画と比較する声もある。

 モスバーガーは2022年、お笑いコンビ「トム・ブラウン」を起用して、「とり竜田バーガー」を宣伝するウェブ動画を公開。「合体漫才」篇ではトム・ブラウンが「とり竜田バーガー」をテーマに独特な世界観でネタを披露。この漫才については「面白い」と好意的な反応が多く見られたが、続いて公開された「超合体漫才」篇では、「合体漫才」篇をニコニコ動画などを念頭に置いたように加工しており、いかにも“ネット民”を狙ったようなつくりになっていたことから、賛否両論を巻き起こした。

 ネット受けを狙ったような内容だったとはいえ、今回のマックの動画と比較し、モスの完成度は高かったと再評価する向きが相次いでいる。

 Business Journal編集部はモスのウェブ動画が公開された当時、モスの広報部にその狙いを問い合わせたところ、「賛否両論、どちらの声も上がってくることは当初より想定しておりました。近年、八方美人的な全面に配慮をしているコンテンツが増えるなかで、しっかりと人の心を動かすためには徹底的に突き抜けることも大事だと考えています」と答え、賛否両論が巻き起こることも織り込み、話題性が高まることを狙っていたと示唆。

 さらに、賛否両論起こったうえで、「その議論が総じてみればポジティブなものになるように、今回の企画でもネットカルチャーに対して最大限のリスペクトを尽くす必要があった」と明かしていた。

 つまり、元動画やネット上の文化に敬意を払いつつ、突き抜けた広告を発信することで、あえて賛否両論が巻き起こるようにしていたわけだ。

 もちろん、今回のマックの動画も、すべてが計算通りであるかどうかは別として、ある程度はネット上の反応などを想定した可能性は十分にある。

 そこで、Business Journal編集部はマックの広報部に動画の狙いや、加工されて出回っている動画について、問い合わせたところ、以下の通り回答があった。

「『チーズベーコンポテトパイ』は、1990年に初登場して以来販売するたびにご好評をいただいている定番のお食事パイ『ベーコンポテトパイ』のそのおいしさをそのままに、さらに2種のチーズが入って進化して、新登場いたしました。

『ベーコンポテトパイ』ファンの方、チーズがお好きな方に加え、この音MAD動画をきっかけに『チーズベーコンポテトパイ』を知り、『食べてみたい!』という気持ちになっていただきたいとの想いから、動画を作成いたしました。皆さまに加工いただくことは想定しておりませんでした。

引き続きたくさんのお客様に『チーズベーコンポテトパイ』をお楽しみいただけますと幸いです」

 つまり、ネット上で再加工されることは想定外だったわけだ。それでも、結果として宣伝効果は高まったといえる。

 ちなみに先月、SNS上に丸亀製麵を揶揄するMAD動画が公開され、物議を醸した。その内容は、同社の名誉を毀損するような内容で、弁護士によると、裁判となれば莫大な損害賠償を支払わなければならなくなる可能性もあるという。もちろんMAD動画をネット上に公開する際には、動画に登場する相手や元動画・元音声などへの敬意を払うことは当然として、権利関係にも配慮する必要がある。

(文=Business Journal編集部)

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