ローソンが今月発売した「新食感メロンパン」の新商品「とろサクっ! クリームメロンパン」「じゅわサクっ! デニッシュメロンパンチョコ」、加えて以前から販売中の「ふわサクっ!メロンパン」「じゅわバタ塩メロンパン」が、「驚異的なクオリティ」「パン専門店より安くて美味しい」などと絶賛を集め人気となっている。その“実力”について専門家の見解を交えて追ってみたい。
メロンパンはコンビニチェーン各社が注力する商品の一つだ。セブン-イレブンはパン陳列棚に「国産小麦使用ふんわりメロンパン」(税込138.24円)を置いているのに加え、一部店舗ではレジ横の商品陳列ケースで店内焼きたてのメロンパンを販売。ファミリーマートは「ファミマ・ザ・メロンパン」(138円)に加え「チョコチップメロンパン」(138円)、「生メロンパン(バニラホイップ)」(145円)、「もちっと食感の北海道メロンパン」(130円)を販売している。
コンビニ業界のなかでも特にメロンパンに力を入れているのがローソンだ。従来から「新食感メロンパン」シリーズを設け、オーソドックスな「ふわサクっ!メロンパン」(127円)、バターの香りが漂う“しっとり”食感の中身をサクサクのクッキー生地で包んだ「じゅわバタ塩メロンパン」(160円)を扱っていたが、今月、新たな商品としてサクっとした甘いクッキー生地の中にコク深いカスタードクリームを入れた「とろサクっ! クリームメロンパン」(171円)、デニッシュ生地のメロンパンにチョコ風味のクッキー生地をかぶせた「じゅわサクっ! デニッシュメロンパンチョコ」(171円)を投入。SNS上では以下のように絶賛する声が相次いでいる。
<ローソンのじゅわバターメロンパンとか。これはメロンパン界の頂点と言ってもいい>
<ローソンのじゅわバタ塩メロンパンほんと最高。神だった>
<ローソンに売ってるデニッシュメロンパンガチで美味すぎる メロンパンだけど口の中でモサモサしないの革命過ぎるわ>
<激ウマすぎた〜>
<最近のマイブームはローソンのデニッシュメロンパン チョコ! メロンパンというかデニッシュが好きでねぇ…すっごく美味しいから食べてみてね>
<メロンパン大好きなんやけど今まで食べたメロンパンの中で1番美味しかった!>
<ローソンのメロンパンの新作どっちも食べたんですけどどっちも大当たりですわ>
“掛け合わせの妙”で勝負
「とろサクっ!クリームメロンパン」は表面のクッキー生地に米粉と沖縄県産黒糖の蜜を使用し、焼き上げた後にバター風味のオイルをかけることで風味豊かなサクサク食感に仕立てるという手の込みよう。「じゅわサクっ!デニッシュメロンパン チョコ」は表面のクッキー生地にグラニュー糖を使用し、塩味の利いた発酵バター入りマーガリン、チョコチップ等を練り込み焼き上げてサクサク食感に仕立てたという。
コンビニチェーン関係者はいう。
「ローソンは昨年発売した『じゅわバタ塩メロンパン』が累計1700万個以上も売れる大ヒットとなったのを受けて、メロンパンに商機ありと判断したのだろう。同商品はメロンパンと塩バターパンを掛け合わせたものだが、今回の『クリームメロンパン』はメロンパンとクリームパンを、『デニッシュメロンパン』はメロンパンとデニッシュパンとチョコを掛け合わせたもので、“掛け合わせの妙”で勝負している。個人的にはローソンのパン商品の歴代最高はデニッシュ生地のなかにカスタードクリームが入って表面にチョコがかけられたドーナツだったが、『じゅわバタ塩メロンパン』が出たときはそれを上回る最高傑作が生まれたと感じた。今回の新作2商品もそれに匹敵するレベルで、驚異的なクオリティになっている。パン類とスイーツ類に限っていえば、ローソンはセブン-イレブンを上回っているといっていい。また、並みのパン専門店のメロンパンよりも完成度は高く、パン専門店では実現できない商品だろう。大手コンビニの高い商品開発力と資本力があってこそ生まれた商品だ」
スイーツ類の強みをメロンパンの開発にも活用
日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュで『スイーツ男子はなとものI loveパンケーキ』(KADOKAWA)著者、はなとも氏は次のように解説する。
「新作の『クリームメロンパン』は中のクリームの量が多く、かなり“スイーツ寄り”のパンという印象です。上部の生地がポロポロと崩れて少し食べにくい面はあるものの、味の良さでカバーできています。このクオリティで171円というのは“買い”といえます。一方の『デニッシュメロンパン』はメロンパンとデニッシュの組み合わせはどうなのかと思っていましたが、実際に食べてみると意外に合うなという驚きを受けました。チョコとデニッシュの甘さ、バターのコクが強く、一口食べただけですごいカロリー感が襲ってきます。30~40代以上の人にとっては、最後まで食べ切るのはちょっとキツイかもしれず、若い学生さん向けかもしれません。ちなみに電子レンジで温めて食べてみたところ、バター感がアップした一方でバターで手がベトベトになってしまったので、温めずに食べるのがよいかもしれません」
従来から販売されている2商品のほうはどうか。
「『じゅわバタ塩メロンパン』は文句のつけどころがありません。バターのコクと甘味、塩味が混ざり合い、下部の生地がサクサクなのも嬉しいポイントです。200円出しても買いたいといえるクオリティの高さです。あえて難点をあげるとすれば、1個で461kcalというカロリーの高さでしょうか。食べるには少し勇気がいるカロリー量でしょう。『ふわサクっ!メロンパン』は王道のメロンパンで、中はフワっ、外はカリっとして食感のコントラストを楽しめ、完成度は高いです。スーパーで売られている一般的なメロンパンと比較すると甘さは控えめなので、サイズが大きく感じてもペロッと食べてしまいます」(はなとも氏)
他のコンビニチェーンのメロンパンと比較して、ローソンのそれは何か特徴はあるか。
「コンビニチェーンのなかでローソンはスイーツ類が非常に強いという印象がありますが、その強みをうまくメロンパンの開発にも生かしていると感じます。コンビニ以外の業態でも人気があるメロンパンというのは少なくないですが、ローソンは価格的にはそれらの半額くらいになっており、コスパは非常に優れていると評価できます」(はなとも氏)
(文=Business Journal編集部、協力=はなとも/スイーツコンシェルジュ)