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コメダ「バカの食い物?」と話題の「コメ牛」の価格が妥当すぎる…新奇性を体験

文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト
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コメダ珈琲店「コメ牛」(撮影=重盛高雄)

「コメダ珈琲店」が今月23日に期間限定で発売した「コメ牛」(並:840~930円)が“物議”を醸している。甘辛の特製タレを絡めた牛カルビ肉と千切りキャベツをバンズで挟んだものだが、SNS上では「バカの食い物」「えげつない量」「がちうまい」などと話題を呼んでいる。そのクオリティと価格妥当性について専門家の見解を交えて検証してみたい。

 1968年に名古屋に1号店をオープンしたコメダは全国に1004店舗(2024年2月末時点)を展開。国内カフェチェーンとしてはスターバックス コーヒー、ドトールコーヒーショップに次ぐ3位(店舗数ベース)。開店から午前11時まではドリンクを注文すると無料でローブパンまたは山食パン(トースト)、さらに「定番ゆで玉子」「手作りたまごペースト」「コメダ特製おぐらあん」のいずれかが付くモーニングサービスがあるのが特徴。ホットコーヒー「コメダブレンド」(460~700円)のほか、「シロノワール」(730~790円)、「カツパン」(910~1000円)、「『名古屋名物』あんかけスパ(単品)」(1020~1110円)などのスイーツ・食事メニューも人気だ。

 コメダといえば、しばしばSNS上で「逆写真詐欺」だとして話題になるほどの、メニュー表の商品写真から想像されるより多い量で知られている。たとえば、2022年に当サイト記事でコメダの「自慢のドミグラスバーガー」(税込650円)とマクドナルドの「ベーコンレタスバーガー」(360円)のサイズを比較したところ、前者のほうが約3倍も大きかった(いずれも価格は当時)。

コメダのブランディング上の答えの一つ

 そのコメダが発売した「コメ牛」は、2020年に期間限定で販売されたもので、当時は一部店舗で欠品が出るほどの人気となったこともあり、今回も発売前から話題に。実際に食べた人からは以下のように高評価の声が続出している。

<凄い>
<必ずリピしたい>
<えげつない量でわろてた>
<美味かったぁ>
<容赦ないボリュームです>
<コメ牛がちうまい>
<値段相応>
<コメ牛美味しい>

 コメダがこのような商品を投入した背景について、フードアナリストの重盛高雄氏はいう。

「外食チェーンにとって高価格帯か低価格帯かどちらの路線を選ぶのかは重要な戦略判断ですが、『ファストフードチェーンではないコメダがオリジナルバーガーをつくるとこうなります』『高価格だけどクオリティは高いです』というコメダのブランディング上の答えの一つといえます。ファストフードチェーンでは100円台でコーヒーが飲めるのに対し、コメダは400円以上かかりますが、コメダは商品単体で勝負しているわけではなく、ゆったりとした椅子に座りゆったりとした空間のなかで、ゆっくりとコーヒーや食事を味わうことができます。

 また、コメダで『コメ牛』とコーヒーを注文すると1300円くらいかかりますが、マクドナルドでも期間限定バーガーにマックフライポテトとドリンクがついたセットは800円以上かかります。『コメ牛』のクオリティを含めて総合的に勘案すると、『コメ牛』の価格は妥当だと評価できます。

 似たような商品としては、牛肉の焼肉をライスで挟んだモスバーガーの『モスライスバーガー焼肉』(490円)がありますが、パンのバンズで焼肉を挟んだ商品というのは珍しいです。その新奇性を体験してみる価値はあると感じます」

意外にも脂のギトギト感はない

 気になるお味だが、どのように評価されるか。

「一口食べると、ふわふわのバンズとしっかりとした味の牛カルビ肉の風味が広がり、高い満足感を感じられます。現在は高さがある縦に長いバーガーが流行ですが、バンズと中身の両方が程よいバランスで口に入らないという難点があります。その点、『コメ牛』は高さが低くて横幅が長いため、バンズと中身をガブリと口に入れることができ、すべての素材のハーモニーを楽しむことができます。

 牛カルビ肉は意外にも脂のギトギト感はなく、肉は適度な大きさにカットされており、噛んだときに長い肉が引きずられてバーガーの中から出てきてしまうということがないように工夫されています。トータルの味的には、とても美味しく、万人好みの味だという印象で、健康的にカルビ肉が食べられます。また、一見するとかなりのボリュームのようにみえますが、ペロリと食べられる量で、完食しても満腹までにはいかないレベルでした。

 コメダに馴染みのない人は一品が800円以上するということを高いと感じるかもしれませんが、コメダをよく使う人にとっては十分に許容範囲です。お試しでレギュラーメニューの『カツパン』(910~1000円)の代わりに『コメ牛』を食べてみてもよいでしょう」 

「コメ牛」は肉量が並の2倍ある「コメ牛 肉だく」(1190~1280円)、並の3倍ある「コメ牛 肉だくだく」(1540~1630円)もラインナップされている。

「『コメ牛 肉だく』を食べてみたところ、ダントツでお薦めといえます。十分に肉を味わうことができる一方、千切りキャベツによって口の中がリフレッシュされるので、飽きることなく食べ切ることができます」(重盛氏)

(文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

重盛高雄/フードアナリスト

重盛高雄/フードアナリスト

ファストフード、外食産業に詳しいフードアナリストとしてニュース番組、雑誌等に出演多数。2017年はThe Economist誌(英国)に日本のファストフードに詳しいフードアナリストとしてインタビューを受ける。他にもBSスカパー「モノクラーベ」にて王将対決、牛丼チェーン対決にご意見番として出演。最近はファストフードを中心にwebニュース媒体において経営・ビジネスの観点からコラムの執筆を行っている。
フードアナリスト・プロモーション株式会社 重盛高雄プロフィール

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