ビジネスジャーナル > 企業ニュース > AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポート

AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポート

2025.11.11 2025.11.11 10:35 企業

AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポートの画像1

AI検索が当たり前になりつつある今、企業の情報発信戦略に大きな転換期が訪れている。従来のSEO対策だけでは不十分、そんな危機感を背景に、10月15日、株式会社アンティルとOwned株式会社による無料オンラインセミナー「PR発想で仕掛けるAIに見つけてもらうためのAIO戦略」が開催された。

マーケター、広報・PR担当者を中心に500名の定員が満席となった本セミナーでは、AI時代における新たな情報最適化手法「AIO(AI Optimization)」の全体像と具体的な実践方法が、実例を交えて解説された。

AI検索の台頭と検索行動の変化

セミナー冒頭、Owned株式会社COOの信谷康邦氏が、現在進行形で起きている検索行動の変化について語った。

「2023年頃から生成AIの利用率が急激に上昇し、現在では約30%のユーザーがAIを日常的に利用しています。2026年中盤には、半数以上の人が利用する状況も見えてきています」

AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポートの画像2
セミナー資料より

さらに深刻なのは、ウェブサイトへの流入減少だ。信谷氏は二つの現象を指摘する。一つは、Google検索で情報を得てもサイトに流入せず離脱する「ゼロクリック検索」の増加。もう一つは、検索エンジンを使わず、最初から生成AIで情報収集を完結させるユーザーの増加だ。

「SEO対策でウェブサイトへの流入を作ろうという時代から、AI検索をメインとする時代への転換が起きています。グーグルも9月にAIモードを実装しました。これはもう止められない潮流です」

この変化は広告市場にも波及する。検索連動型広告の競争激化により、クリック単価の高騰と広告効果の低下が予測される中、「リスティング広告を打ちっぱなしにするのではなく、代替されているAIOの対策が、マーケティング観点からも重要度が高い」と信谷氏は強調した。

SNSが検索エンジンになるショート動画の影響力

株式会社アンティル ビジネスユニット長の吉田侑生氏は、検索行動のもう一つの大きな変化として、SNSでの情報収集の一般化を挙げた。

「これまではGoogleの検索が主流でしたが、今では動画コンテンツで情報を調べる人が増えています。旅行先探し、ライフハック系の情報収集など、SNSが検索エンジンとして機能しているのです」

特に注目すべきは、ショート動画の影響力だ。吉田氏は2024年の総選挙を例に挙げ、「参政党では動画投稿の約90%が切り抜き動画で、その多くがサードパーティーからの配信でした。これにより17億回以上再生され、無名だった政党が3日間で広く知られるようになった」と、その爆発力を説明した。

「ベクトルグループとしては、これからの認知施策の鍵はAIOとショート動画と位置づけています。PRという視点で、どうAIOを対策していくか、どうショート動画を作っていくかが、今後の主戦場になります」

AI時代の認知戦略=想起率を高める

吉田氏が強調したのは、認知施策のゴールを「想起率を増やすこと」に置く重要性だ。

「消費者は何かを探すとき、利用文脈やシーン,オケーションと商品をセットで検索します。たとえばスポーツドリンクなら、『スポーツをする時』という文脈ではポカリやアクエリアスが想起されますが、『風邪で熱が出た時』『二日酔いを解消したい時』という限定的なオケーションでは、別のブランドが選ばれる可能性があります」

AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポートの画像3
セミナー資料より

つまり、想起されるオケーション(利用文脈)をPRで作り、それを増やしてブランドと結びつけることが、AI時代の認知戦略において不可欠だという。

「ベクトルグループでは、PR発想でのコンテンツ作り、消費者とのオケーションを結びつけるコミュニケーション支援をしています。そこにAI対策を組み合わせることで、しっかりと認知させていく、これが私たちの提供価値です」

自社サービスをAI検索してみるとどうなる?

セミナーの中盤では、参加者自身が自社サービスや会社名を生成AIで検索する実践的なワークショップが行われた。

「自社のサービスが、オケーションと一緒に出てきてほしい質問を考えて、ChatGPTやGeminiで検索してみてください。たとえばベクトルなら『新製品発表の時に依頼すべきPR会社は?』といった形です」(信谷氏)

続けて、同じキーワードでGoogle検索も実施。「Googleでは出てくるのにChatGPTでは出てこない、あるいはその逆といったケースが多く見られたはずです。すべての媒体で出てくる状況を作ること、これがAIOです」と信谷氏は参加者に語りかけた。

AIOとは何か?3つの要素を理解する

「SEOは検索結果に上位表示されること。AIOはAIから推奨されること、これが端的な答えです」

信谷氏はAIOを3つの要素に分解して説明した。LLMO(大規模言語モデル最適化)、GEO(生成エンジン最適化)、AEO(AI検索エンジン最適化)の3つだ。

LLMOは、AIが認識しやすいデータ形式に最適化すること。サイトの裏側の構造が重要となる。

GEOは、ChatGPTやGeminiといった対話型AIで表示されるための最適化。「対話をもとに表示されるため、文脈が非常に重要です。認知段階、比較検討段階など、それぞれの文脈に応じた情報発信が求められます」

AEOは、Google検索結果の最上部に表示される「AIによる概要」や「関連する質問」に対する最適化だ。「AEOは基本的にキーワードで検索されるのに対し、GEOは文脈で調べていく。表示面によって対策が変わる点が、AIOの難しさであり、対策しがいのあるところです」

AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポートの画像4
セミナー資料より

GEO対策の焦点は影響力のあるメディアとオケージョれた。

吉田氏は、GEO対策に必要な要素として2点を挙げた。影響力の強いメディアでの露出と、その露出の中でオケージョンが提示されていることだ。

「PRとAIOの施策を展開する中で、国内の実績値と定量的に比較評価を行っています。その結果、朝日新聞、日経新聞、PR TIMES、ダイヤモンド・オンライン、食品新聞、Yahoo!ニュースなどで、一次情報の評価が高く、専門性や公式性のある情報が引用される傾向があることがわかりました」

特に日本経済新聞とPR TIMESからの引用が、GEO領域で最も多い傾向が確認されている。「端的な戦略ですが、PRでここを狙う、リリースをPR TIMESで出すことが、GEO対策になっています」

SNS別では、ChatGPTはSNSの引用が少なく、Google AIOではYouTubeが多く引用される。その他のメディアでは、Google AIOは知識ベースの強いWikipediaや公式情報を深く評価する傾向があり、「意外と皆さんが普段接しているビジネス系メディアは、引用に引っかかっていない状況」だという。

吉田氏は具体例として、AIで「ダイエットしたいのだけど、おすすめの市販食品は?」と検索した場合を示した。

「AIはサラダチキン、ギリシャヨーグルト、ゆで卵、プロテインバーなどを推奨します。その引用元を見ると、たとえばローソンの記事は『ダイエット中のランチやおやつにおすすめな食品7選』というタイトルで、オケージョン提示が明確です。別の記事では『サラダチキン10種類を食べ比べ おいしいのは?カロリーが低いものは?』と、選ぶ基準や痩せたいというニーズ、利用タイミングが盛り込まれています」

つまり、自社ブランドやサービスを紐付けるメディア露出に、オケージョンという文脈・切り口が多ければ多いほど、AIに推奨される可能性が高まるのだ。

「アンティルは、そのオケージョンとブランドをつなぐコミュニケーション戦略の考案から実行までを担当しています。これまではメディアに取り上げてもらうことがPRのゴールでしたが、AI時代には逆算的に、どの媒体で、どのタイミングに、どういう形式の記事を出せば調べてもらえるのかを設計する必要があります」

AI検索時代の新常識とは?「AIO戦略」セミナー開催レポートの画像5
セミナー資料より

大手人材グループ会社の取り組み

セミナーでは、アンティルとOwnedが支援する大手人材グループ会社の事例が紹介された。

「人材育成、人事制度、組織開発のサービスを提供する同社では、ChatGPT、Geminiともに当社がAIO対策を行っています。若年層や中堅層の離職傾向の調査PRを発信した結果、その調査結果がAIに取り込まれ、GEOでの社名表示につながっています」

具体的には、「若手の離職傾向はいつ高まるか?」とAIに質問すると、主な調査結果や知見として時期が引用され、その引用元が大手人材グループ会社の調査だった。

「調査コンテンツは、刷新性がない限り、4年前に打った調査も現在のAI回答に引用され続けます。つまり効果が残存するのです。逆に言えば、同じような調査でも新しい調査を打ち続けることで、競合他社よりも選ばれやすい環境を作ることができます」

この取り組みにより、ChatGPT、GeminiなどのAI検索からの流入数・表示回数はともに上昇。「文脈の設計、発信、AI対策という一連の流れで、検索行動に対応したコミュニケーションの実績が出ています」と吉田氏は結んだ。

調査PRの「乱発」によるリスクに対策は?

セミナー後半の質疑応答では、参加者から実務的な質問が相次いだ。

「オケージョン戦略において成功している事例はありますか?」という質問に対し、吉田氏は就活シーズンを例に挙げた。

「1月から3月は就活生の検索ボリュームが高まります。そのタイミングで就活生に向けた情報発信、たとえば就活生の健康管理やメンタル維持方法といったオケーションにサービスを紐付ける、こうした戦略は以前からPRで実施してきました。今回はそれをAIに落とし込んでいく作業です。PR担当者であれば、そこにAIの受け皿を入れていただくことが重要です」

「AI検索でオケージョンを選定する場合、どう質問やキーワードを特定するのがいいか?」という質問には、「世の中でどういうキーワードが検索されているのか、一般的に見られているのかをSEOから逆算して選定しています。かつては野良でメディアやSNSを見て判断していましたが、今はSEOデータをもとにキーワードや質問を設定しています」と回答。

調査PRの「乱発」によるリスクについての質問もあった。

「同じような内容のリリースを続けることで、逆にピックアップ率が下がる可能性もあると思っています。AIは信頼性の高いメディアで評価されているものを重視しますが、乱発すると『このサイト怪しいんじゃないか』『この企業のリリースは怪しい』という評価につながる可能性があります。適切なタイミングを持って発信していく必要があります」

AI時代の情報発信戦略の再構築は急務

セミナーを通じて浮き彫りになったのは、AI検索の普及が単なる技術的変化ではなく、企業の情報発信戦略そのものの再構築を迫っているという現実だ。

従来のSEO対策やメディアリレーションに加え、AIに「見つけてもらい」「推奨してもらう」ための設計が、今後の認知施策において不可欠となる。そのカギを握るのが、オケーション(利用文脈)とブランドの結びつけ、影響力の強いメディアでの露出、そして一次情報としての調査発信だ。

吉田氏は最後に、こう語った。

「まだ先進事例が多くない領域ですが、ベクトルグループとしては、今後こうしたAI×PRの施策を多くの企業様に提供していきたいと考えています」

AI時代における企業のコミュニケーション戦略は、まさに今、新たなステージに入ろうとしている。

※本稿はPR記事です。

BusinessJournal編集部

Business Journal

ポジティブ視点の考察で企業活動を応援 企業とともに歩む「共創型メディア」

X: @biz_journal

Facebook: @bizjournal.anglecreate

ニュースサイト「Business Journal」