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不祥事、経営危機…JR北、なぜ再建進まない?崩れる国交省シナリオ、深まる企業体質不信

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 現在、JR北海道の社員数は約7000人だが、民営化前の4分の1に減った。歴代の経営陣は同社の主要労働組合と協力し、従業員のリストラを進め、経営陣と組合が相互になれ合う構図が出来上がった。国交省から「安全統括管理者」の任務から解任するようにという命令が出た豊田誠常務が野島社長の会見に同席していたが、解任命令については「対応を検討する」(野島社長)、「コメントはない」(豊田常務)と述べるにとどめた。

 国交省は、本業の鉄道事業で年間300億円の赤字を出すJR北海道の経営状態をどうやって改善するのか、という具体的な方策を示していない。同社には民営化した当時から「利益を見込める路線が少なすぎる」という根本的な問題が横たわっている。民営化以降、27年間、国は同社の経営問題を見て見ぬふりをしてきた。

 JR北海道は21年までの10年間で鉄道建設・運輸施設整備支援機構から無利子貸付金と助成金を合計600億円受け取ることになっているが、600億円ではまったく足りないとみられている。「JR東海のリニア新幹線の土地取得に税制面で便宜を図る前に、国はJR北海道に資金を供与すべきだ」「一旦破たん後に復活を遂げた日本航空同様、JR北海道も一度経営破綻させて新しい経営体制で再建を目指すしか、もはや道はない」との声も上がっている。北海道道民の足でもある公共交通機関の安全性を確保するためにも、国が前面に出るべき局面を迎えている。
(文=編集部)

【続報】

●ATS破壊容疑で告訴

 JR北海道は1月23日、操作ミスを隠すために昨年9月に特急列車の自動列車停止装置(ATS)を破壊した男性運転手(33)を、器物破壊の疑いで北海道警に告訴したと発表した。同社はこの運転手を出勤停止15日の懲戒処分としたが、国会などで「処分が甘い」との指摘を受けた。同社は当初、「社内規定に基づき適正に処分した」と主張していた。国土交通省は1月21日、運転手の免許の取り消しを通知している。運転手は昨年9月7日、札幌運転所(札幌市)で回送運転中だった列車のATSスイッチを切り忘れて列車を止めた後、ミスを隠すために、4つあるスイッチのうち2つをハンマーで壊した、とされている。

BusinessJournal編集部

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