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風俗業界で英語教育過熱?なぜ外国人観光客受け入れ加速?東京五輪で岐路に

取材・文=丸山佑介/ジャーナリスト
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風俗業界で英語教育過熱?なぜ外国人観光客受け入れ加速?東京五輪で岐路にの画像1ソープランドの「個室」の例(「Wikipedia」より/Hykw-a4)
 日本政府は2003年、ビジット・ジャパン・キャンペーンと冠して外国人の訪日旅行を促す事業を実施し、外国人観光客を積極的に受け入れ始めた。キャンペーン開始当初、年間500万人ほどだった訪日観光客は800万人ほどまで順調に増加していたが、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災の影響で、600万人台にまで落ち込んだ。12年からは再び増加に転じ、昨年は1000万人を突破した。このことを受けて、日本政府と国内の観光産業は外国人誘致にいっそう力を入れている。

 増え続ける外国人観光客を取りこぼさないようにするため、従業員に英語の学習を推奨する企業が増え、中には積極的に英語教育を実施する企業もある。

 この流れは20年開催の東京オリンピック頃まで続くと見られている。英語に力を入れているのは、接客業など外国人と直接コミュニケーションを取る業界が主ではあるが、実は意外にも、風俗業界でも英語教育が熱を帯び始めている。

●観光産業としての風俗

 なぜ風俗業界で英語が必要とされるのか? それを理解するために、まず観光産業としての風俗業界の現在の状況について触れておきたい。

 そもそも風俗業界は一般的に「外国人客お断り」である。文化や風習の違いや言葉が通じないことでトラブルになるケースが多く、風俗嬢たちも外国人客を嫌がるためだ。

 ところが、第二次安倍内閣の経済政策で進んだ円安の影響で、外貨の価値が増している。日本人の風俗離れが進む昨今では、お金を払ってくれるのであれば外国人であっても歓迎したいというのが、経営者たちの本音なのである。

 特に外国人の受け入れに寛容かつ熱心なのが、ストリップと高級ソープである。

 ストリップは入場料が5000円ほどでポラロイド写真の撮影が1000円と、薄利風俗の代名詞ともなっている。客は高齢化し、もはやジリ貧の業界とまでいわれ、日本中のストリップ劇場が次々と廃業を決めている中で、外国人観光客が大挙して押し寄せることになれば、店としても受け入れるだろう。東京・新宿の歌舞伎町のような外国人観光客に人気の繁華街エリアにあるストリップは、すでに外国人観光客受け入れの流れに乗っている。

 日本で外国人を専門に案内するガイドのAさんは、次のように現状を語る。

「正式な観光ルートに入っているわけではないので、お客さんからのリクエストがあれば案内しています。お店側からはキャッシュバックがあるので、ガイドとしてはうれしい側面もあります」

 今のところストリップを希望する観光客は、東南アジア系に多いそうだ。それもほとんどは数十人規模の団体客なので、旅行業界では今後「正規の裏ルート」になる可能性すらあると考えられている。

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