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業績悪化の最大の要因は、3月以降の人手不足だが、実は外食業界全体の深夜営業が人手不足に陥っているわけではない。例えば、ワタミ関係者は「3―4月はアルバイト確保が難しかったが、5月以降はそれが解消した。3―4月は学生の卒業・入学期なのでアルバイト確保に苦労するのは例年のこと」と語る。
●解消されない過酷な労働環境
業界の中でいまだに人手不足の問題を解消できないすき家の現場からは、今でも過酷な労働環境を嘆く声が聞こえてくる。東京都内の店舗で勤続約1年という学生アルバイトは明かす。
「確かに9月からワンオペがなくなり、深夜は2人勤務体制になった。しかし午前2時頃までは次々と来るお客さんの注文処理に大忙しで、客足が減ったその後も仕込み、食器洗い、掃除などで午前0時から翌朝9時まで休憩なしの過酷勤務は、ワンオペ時代と何も変わらない。変わったことといえば、来たお客さんを追い返さなくなったことぐらい」
また、すき家本部社員は「3月以降、アルバイトを募集しても、応募してくるのは日本語の日常会話も満足にできなくてアルバイト先探しに苦労している留学生が大半」と打ち明ける。
ゼンショー資料によると、すき家の14年上期(4―9月)の既存店売上高は前年同期比5.1%増だが、全店売上高は3.1%減。3月以降の人手不足休業の影響は明らかだ。10月から24時間営業店が激減したことで、下期の全店ベース売上高大幅減少は確実とみられている。
「ブラックな労働環境」というイメージが定着したゼンショーが、深夜営業再開に必要なアルバイト数を確保するのは容易ではなさそうだ。
(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)
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