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トヨタが中国でうまくいかないのは鄧小平の呪い?

トヨタとホンダ、レアアースと引き換えにHV技術を中国に売る!?

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●中国による国ぐるみの交渉に譲ったトヨタにホンダ

 トヨタが中国で出遅れた理由ははっきりしている。中国政府が合弁事業を許可しなかったからだ。同社が天津汽車集団との合弁会社、天津トヨタを設立できたのは00年。だか、結局天津汽車は赤字続き。02年に中国自動車最大手の第一汽車集団が、天津汽車を買収して仕切り直しとなった。その後、04年にどうにかカローラの生産にこぎ着けたが、時、すでに遅し。中国市場で同社は、独VWと米GMの2強の背中さえ見えなくなっていた。

 欧米のライバルに大きく水を開けられたトヨタもこの時、巻き返しに一歩踏み出した。中国第4位の広州汽車集団との間で合弁会社、広州トヨタを設立した。北米市場で大ヒットしたカリムを生産して、中国市場参入の突破口にするつもりだった。だが、エンジン製造の許可は得たが、乗用車製造の許可は下りなかった。

 一方で、独ダイムラークライスラーのベンツの生産は、北京汽車集団との合弁が異例の早さで許可され、当初06年の予定だったベンツの生産開始が05年に繰り上がった。広州トヨタがカムリの生産を開始するのは06年5月。08年の北京五輪に先立つ“乗用車特需”に乗り遅れてしまった。中国の自動車市場が爆発的に伸びるなか、トヨタだけがシェアを落とし続けた。中国政府によるトヨタのいたぶりかと疑われるほどの事態だった。

 それでも中国は、日本メーカーのHV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)の技術が喉から手が出るほど欲しかった。そこでHV技術の取り込みの切り札としたのは、レアアース(希土類)である。レアアースはHV車のモーターなどハイテク製品の生産に欠かせない。日本は、そのほぼ全量を中国からの輸入に頼っていたが10年、同国が大幅な輸出規制に乗り出した。レアアースの輸出を対日外交カードとして切ったのである。

 日中経済協会訪中団の張富士夫団長(トヨタ自動車会長)と最高顧問の米倉弘昌・日本経団連会長らは11年9月6日、中国の李克強・筆頭副首相と会談。レアアースの中国側の供給削減に懸念を表明した。これに対して中国側は、安定供給の見返りとして、レアアースを使う製品の現地生産を求めた。ハイテク製品を中国で生産すれば、レアアースを供給するという交換条件を出してきたのだ。充電池メーカーから技術流出を懸念する声が挙がったが、日本勢は中国側の提案に乗った。

 12年4月23日に開幕した「北京モーターショー2012」で豊田社長は、HV車の現地での一貫生産を表明した。ホンダもHVの基幹技術を中国の自動車メーカーに供与すると明らかにした。トヨタ、ホンダという2強が、中国政府の要請を受け入れたのである。

BusinessJournal編集部

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