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セブン&アイ、世襲めぐり内部分裂の火種か 東電会長交代説の裏に政府の圧力か

文=編集部

 本家と分家の思惑の違いを象徴するような出来事が、2005年の社長人事で起こった。大本命とされたのが直紀氏だった。夫人は中曽根康弘元首相の二女で、鹿島家と政界を結ぶ閨閥づくりといわれた。六郎氏は直紀氏の社長就任を迫ったが、相談役で本家の鹿島昭一氏の反対で大逆転。非同族の中村満義氏が専務から社長に昇格した。

 昭一氏は守之助氏の長男で8代目の社長。この時の本家と分家とのシコリが、いまだに尾を引いていると噂される。昭一氏は、長男の鹿島光一氏を後継者に据えたかったようだが、光一氏は13年、突然取締役を退任してしまった。当時、父親との確執が原因と取り沙汰された。

 現在、トップ人事の決定権者は“鹿島のドン”といわれる昭一氏である。今年、社長になれないと、直紀氏は副社長のまま終わるかもしれない。「次期社長もプロパーを起用する」(鹿島元役員)との見方は根強い。ここにきて、土木管理本部長を兼任する副社長の茅野正恭氏の名前も浮上している。

●大成建設

 長期政権が多いスーパーゼネコンの中で、新世代へのバトンタッチの先陣を切ったのは大成建設だ。取締役常務執行役員の村田誉之氏が4月1日付で社長に昇格する。就任8年目の現社長・山内隆司氏は、代表権のある会長に就く。

 これは、ゼネコンの業界団体である日本建設業連合会(日建連)の次期会長を想定した動きとみられている。日建連の会長は鹿島建設、大成建設、清水建設の3社の会長による持ち回りで2期4年務めるのが慣例となっている。13年4月、鹿島建設が会長を置いていなかったため、中村氏は現役社長のまま日建連の会長に就いた。今春、中村氏が鹿島建設の会長になれば日建連の会長を続投するのは間違いないが、会長にならず現役社長のままであれば、続投は厳しいだろう。

 順番にいけば、次の日建連会長は大成建設だ。次期日建連会長のポストをにらんで山内氏は会長に就いたと推測されている。しかも、中村氏と山内氏が“犬猿の仲”であるのは有名な話だ。中村氏が任期半ばで、すんなりと日建連会長のポストを山内氏に譲るとは思えない。日建連の会長人事は、中村氏が鹿島建設の会長になるかどうかにかかっているのだ。

●清水建設、大林組

 清水建設社長の宮本洋一氏、大林組社長の白石達氏も、今年6月で就任8年となる。山内氏、宮本氏、白石氏は東京大学工学部建築学科の同じ研究室の出身で、宮本氏と白石氏に至っては同級生だった。鹿島、大成、清水、大林のスーパーゼネコン4社のトップ交代が一斉にあるのか、注目される。

BusinessJournal編集部

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