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大塚社長は、「中小型液晶は(機器ごとに)カスタム性が強いのが特徴。DRAMのような汎用性が強いものとは違う」と製品特性を挙げ、エルピーダとの「違い」を強調した。ただ、今後爆発的な普及が見込まれる超薄型ディスプレイ・有機ELパネルへの参入は、早くても13年度。現時点ではシェアは高いが、次世代の主戦場となる有機EL市場を独占する韓国サムスン電子の牙城を崩す策は見えていない。
行く末定まらぬ見切り発射
さらに懸念材料とみられているのが、事業統合に伴う合理化の遅れだ。実は昨年の秋に統合で合意したものの、現時点では工場の統廃合や人員削減は打ち出せていない。JD社員も、「3月の最終週まで独禁法の事前調整などで混乱していた。4月1日の発足が危ぶまれていたほど。構造改革案は今から考える段階」と内情を話す。統合会社につきものの工場の統廃合や、3社間の重複する事業部の整理など、利害調整が前面に出てくるのはこれからというわけだ。
大塚社長は会見中、「ロケットスタートを切る」を繰り返した。だが、残念ながら、具体的な中身は見えてこない。助走がないままで見切り発射した「ロケット」がどこに飛んでいくかは、大塚社長自身にもわからないのが実情か――。
(文=経済ジャーナリスト/江田晃一)
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