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ペナント2位のソフトバンク、“ゆがんだ日本一”…CS不要論が再過熱、揺らぐ公平性

文=江田和夫/スポーツジャーナリスト

 だが、1位チームにアドバンテージを付与するなどの調整の結果、CSが両リーグに導入された07年以降の13年間で、日本シリーズに進んだのべ26チームのうち20チームがシーズン1位となっており、CS不要論は弱まってきていた。

 そんななかでソフトバンクの短期決戦の強さが際立ち始め、あらためてCSの見直しを求める声が出てきているのだ。とはいえ、大規模なアンケート調査が行われていない現状では、CS容認派と否定派がそれぞれどのくらいいるのかは定かではない。

 ソフトバンクが巨大戦力を保持しているのは確かだが、巨人も大きな戦力を持っている。毎年多額の費用を投じて他球団からFA選手などを引き抜いている。さらに、ソフトバンク、巨人、広島東洋カープの3球団は、3軍まで保有して数多くの育成選手を抱えている。3軍は練習用球場や選手の人件費などを考慮すると莫大な費用がかかるため、ほかの球団は導入していない。その3軍を保有する3球団のうち、広島とソフトバンクは育成面で成功しているといえる。

 特にソフトバンクは、エース・千賀滉大や昨年の日本シリーズでMVPを獲得した捕手・甲斐拓也をはじめ、今年の日本シリーズで代走として巨人を攪乱した周東佑京など、育成出身の選手が多数1軍で活躍している。一方、巨人は山口鉄也、松本哲也以降、目立った育成出身選手はいない。それどころか、巨額投資によって獲得した選手が軒並み活躍できずに終わっている。今年、シーズンを通して活躍した丸佳浩は補強の“珍しい成功例”といえるが、その丸もキャプテン・坂本勇と共に、日本シリーズでは13打数1安打と極度の不振に陥り、“逆シリーズ男(シリーズの敗因)”という不名誉な称号を与えられている。

 ソフトバンクはCSの第1ステージ第2戦から、破竹の10連勝で一気に頂点へと駆け上がった。今のソフトバンクを短期決戦で倒すことができそうなチームが、ほかの11球団のなかに見当たらないのが現状だ。そんな事情が、CS不要論を過熱させているのだ。
(文=江田和夫/スポーツジャーナリスト)

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