そんな有田が演じる富岡になぜか好意を示し、ぐいぐいと距離を縮めてくる隣人でヒロイン・羽田梓を演じている本田翼が、「ばっさー可愛いなぁ」「ばっさーばかり見てる」「生足とかサービスが素晴らしい」「有田いい役だな。代わってくれ」などと、ネット上で大絶賛なのだ。
ルックスは良くとも、これまで女優としてはさほど評価されてこなかった本田。しかし、羽田は美人でスタイルもいいけどかなり癖が強い、ストーカー気質なところもあるという、ある意味富岡よりもエキセントリックな部分もあるというキャラクター。本田の発声やかつ舌の悪さも、あまり気にならない。
また、1話目からシャワーシーンや、パンツがはみ出しているという原作のサービスシーンもしっかり再現するなど、深夜の30分枠なのに体当たりで演じているところや、ガチの漫画・『ドラゴンクエスト』好きと知られているところも、ネット上の視聴者からの支持を獲得できた一因となっているようだ。
原作をコンパクトにしながらも、ストーリーラインはおおむね原作を忠実になぞっているドラマ『わにとかげぎす』。一方で富岡の部下となる花林役には賀来賢人、雨川役には吉村界人、そしてヤクザの愛人・吉岡華役にはコムアイ(水曜日のカンパネラ)と、周囲のキャラクターたちは設定をアレコレ変えながら、ビジュアルを原作から大幅に良くしている。
原作が連載されていたのは06~07年。10年も経っていることを考えれば設定の変更も、原作では正直不細工だった脇役たちにイケメン、美人が配されているのもテレビでの絵面を考えれば、ある程度止むを得ない。主役が有田のところに、花林や雨川を原作に近いビジュアルでキャストを揃えてしまっていたら、それこそコント番組にしか見えなくなっていたと思われるので、良い改変だったのかもしれない。
原作単行本全4巻のうち、ドラマで消化したのはまだ2巻の半ば程度。ここからどこまで原作の物語を消化するのか。決して抜群に演技がうまいわけではない2人がメインを張るなかで、ここまで上手に物語をまとめ、盛り上げてきたスタッフ陣の手腕と、本田のさらなるサービスシーンに期待しながら見守ってみたい。
(文=馬場ゆうすけ)