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広瀬香美は、これまで通り芸能活動ができるのだろうか。
「事務所の移籍で代表曲の『ロマンスの神様』が歌えなくなるのでは? と心配されている方々も多いようです。『ロマンスの神様』の作詞作曲は広瀬香美自身で、詞と曲の著作権は音楽出版社である日音に譲渡され、さらにJASRAC(日本音楽著作権協会)に信託されています。CDについては原盤権を持っているのはレコード会社です。芸能事務所は広瀬さんの曲について『歌うな』と言う、なんらの権限も有していません」
業界の慣例と法律
芸能事務所の移籍問題では、2016年のSMAP解散で、草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾がジャニーズ事務所を離脱したことが思い起こされる。3人が主演のオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』が、2週間限定公開で観客動員数28万人を突破して話題になった。CM出演も果たしているが、テレビ番組の出演に関しては地方局やインターネット放送にとどまっている。
「もし仮に、ジャニーズ事務所がテレビ局に『離脱した3人を使うな』というようなことを言っていたとしたら、独占禁止法に違反する可能性がありますが、そういうことは考えにくいでしょう。ジャニーズ事務所の気分を害して他の所属タレントを使わせてくれなくなると困る、とテレビ局のほうが気を回していると見るのが自然です。広瀬香美の場合も、事務所とのトラブルに巻き込まれることを懸念して、オファーを自粛することはあり得るでしょう。これは業界の慣例なので、現状の法律で規制するのは困難です」
芸能人のメディアへの露出が、本人の実力以外のところで左右されるのでは、健全な文化とはいえない。この状況に、広瀬香美の事務所移籍騒動が一石を投じることになるのだろうか。
(文=深笛義也/ライター)
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