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『おかえりモネ』でも活躍、今注目の山神明理…異色の経歴、明るいキャラで大人気

文=上杉純也/フリーライター
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「NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』」より

 現在放送中の朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)は、清原果耶演じるヒロイン・永浦百音が気象予報士として奮闘、成長する姿を描く物語。それだけに実際の女性気象予報士が気象キャスター指導として番組に携わっている。それは現在、夕方の報道・情報番組『ニュース シブ5時』で気象情報を担当している山神明理気象予報士だ。SNS上では女優の葵わかなに似ていると評判なので、ご存じの方も多いのではないだろうか。

 そんな彼女は、気象キャスター指導だけでなく、第18週のエピソード『伝えたい守りたい』で2日にわたって実際に本編に登場した。主人公の百音が勤務する気象情報会社・ウェザーエキスパーツの社員役で、朝ドラはもちろんドラマにも初出演だ。2日目には、わずかながらセリフをしゃべる場面もあり、一躍話題となった。

 そこで今回は、山神明理気象予報士の今までの経歴や人となり、その魅力について深堀りしていこうと思う。

 山神は1988年9月20日生まれの33歳。香川県多度郡満濃町(現まんのう町)出身で、京都女子大学発達教育学部教育学科を卒業。気象予報士試験はかなり難関とされ、合格率はたった5%といわれるが、資格を取得したのは大学在学中の2010年だというから、文字通りの”才媛”である。

 この仕事と出合った場所が面白く、なんと書店だという。子供の頃から、食べられる植物を探すことを趣味としていて、通学中にカラスノエンドウについて調べるために書店に入り、”自然”のコーナーに向かったところ、気象予報士の本があった。試しに読んでみたら面白く、気象予報士という仕事に魅了されてしまった。そして気象に関する仕事ならなんでもやってみたいと思うようになり、資格を取ったのだ。

 だが、資格を取った山神は大学卒業後、気象予報士として働かなかった。東京の新宿区にある小学校で教師をしていたのである。ちなみに、小学校教論及び中学校と高等学校の音楽科教論の免許を取得している。

 ただ、教師になってからも天気に関しての興味が尽きることはなく、朝の会でも天気に関して話すことが楽しかったという。教師として子供たちと接するうちに、教え子たちの一生懸命に学ぶ姿に感銘を受け、自分ももっと学びたいし挑戦したいと思うようになっていった。そして教師を辞め、気象会社の入社試験を受け、転職したのである。

関西から全国区へ

 気象会社では当初、テレビ局向けの気象情報の原稿執筆や、データ放送の仕様の決定など裏方を務めていたが、14年に鳥取県鳥取市にある日本海テレビのニュース番組『エブリワン』の気象コーナーを担当することとなる。会社のある千葉県幕張から、中継での出演であった。

 このときに自分で伝えられる楽しさを知った山神は、その後、NHK大阪放送局の気象キャスターオーディションを受け、見事合格。16年、27歳のときに『NHKニュースおはよう関西』と『ぐるっと関西おひるまえ』の気象キャスターに起用されている。ちなみに、この年に防災士の資格も取得している。これらの番組出演により、ネットを中心にかなりの人気を誇り、知名度は抜群に高まった。人気気象予報士としての第一歩は、関西圏から始まったのである。

 そして関西での活動を18年3月末で終了し、翌4月から今度はNHK東京放送局へ。朝の情報・報道番組である『NHKニュースおはよう日本』の気象キャスターに就任し、ついに全国ネットに進出することとなったのだ。この『おはよう関西』のお天気キャスターから東京進出するのは井田寛子、菊池真以、三宅惇子に続く流れで、いわばNHKの女性気象予報士の”出世コース”に乗ったワケである。

独特の世界観と明るいキャラで人気に

 肝心のキャスターぶりだが、可愛い声にほんわかとした語り口、何より落ち着いた雰囲気気象情報を伝える姿は、まさに”朝向き”だった。『おはよう日本』の気象情報は、スタジオから檜山靖洋気象予報士が、NHK放送センター敷地内からの中継では山神が伝えるかたちだったが、雨が降ろうが風が吹こうが毎朝、爽やかな笑顔でお天気情報をお茶の間に伝えてくれる健気さも印象に残っている。加えて面白キャラで番組を盛り上げてくれていた。

 あるとき、山神がこんなフリでスタジオに話を戻したことがある。

「子供の頃、おかっぱだったという檜山さん!よろしくお願いします」

 すると、和久田麻由子アナが「想像つきませんが、よろしくお願いします」と乗っかり、檜山は「はい、お願いします。おはようございます」と冷静に答えた。山神の突然の”ブッ込み”に、どう対応していいか困惑した和久田アナは真顔のままで受け渡し、檜山はクールに流すしかないという印象だった。

 また、昨年夏の8月のある日のこと。新型コロナウイルスの影響で、あまり夏らしいイベントができていないという視聴者に向けて、「(今日くらいのさほど厳しくない暑さなら)お庭の日陰などでスイカ割りをするのはどうでしょうか」と言うなり、目隠しをして唐突にスイカ割りを始めてしまったのである。

 これにはスタジオの岩野吉樹アナも「今?今?今?」と驚くばかり。山神はそれに構うことなく「ではいきます。天気の呼吸、壱の型、夏空!」と気合いを入れて棒を振り下ろすも命中せず。しかも、その後1分近く時間を使ったあげく、当たるどころかかすりもしなかったのである。

 それでもめげることなく「このスイカなんですが、熱中症予防にも効果があるとされています。水分が90%以上、ビタミンミネラルも豊富です。塩をかけると塩分も取れますね。かけすぎには気をつけましょう。では檜山さん、お願いします。割れなかったーー」と、独自の世界観を演出し切ったのだった。

 少しでも視聴者にわかりやすく、かつ楽しく天気を伝えるために、あれこれ工夫し、ともすれば堅苦しくなりがちな気象情報を盛り上げる姿は”素敵”のひとこと。普通はここまでコミカルなことはしないワケで、まさに多くの視聴者にとって”癒し”の存在となったのである。

 この『おはよう日本』を担当したのは今年3月末までで、それからすぐに現在の『ニュース シブ5時』に異動。朝から夕方へと出番は変わったが、相変わらず明るく元気に爽やかに、天気情報を伝えてくれている。さらにこの先だが、どうせなら夕方から夜に異動して『NHKニュース7』から『ニュースウオッチ9』と、NHKの情報・報道番組制覇を目指してほしいところだ。

上杉純也/フリーライター

上杉純也/フリーライター

出版社、編集プロダクション勤務を経てフリーのライター兼編集者に。ドラマ、女優、アイドル、映画、バラエティ、野球など主にエンタメ系のジャンルを手掛ける。主な著作に『テレビドラマの仕事人たち』(KKベストセラーズ・共著)、『甲子園あるある(春のセンバツ編)』(オークラ出版)、『甲子園決勝 因縁の名勝負20』(トランスワールドジャパン株式会社)などがある。

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