自衛隊、SNSでの防衛機密情報ダダ漏れが止まらない!?
SNSをはじめとするインターネット経由で情報流出の可能性は、何も海上自衛隊に限った話ではない。官公庁、民間企業など、どこでも十分起こり得る話だ。
例えば、秘匿性の高い研究も数多く行っている独立行政法人・産業技術研究所に勤務するある研究者は、「SNSへの書き込みにより、自分が予測していない情報流出の可能性がある。なのでSNSへの書き込みは一切行わない」と話す。
こうした流れは、研究機関はもちろん、中央官庁、金融機関、大手民間企業など、責任ある立場にある者の間では、今や当然のものとなりつつある。もちろん防衛省・自衛隊勤務の者も例外ではない。現役海上自衛隊幹部・A氏は次のように話す。
「細心の注意を払ってSNSへの書き込みを行ったとしても、思わぬかたちで情報を流出させたり、諸外国に情報を読み解くヒントを与えてしまうのではとの懸念は拭えない。なので、もうSNSは行わない。もっぱらROM専(Read Only Member。SNSへの書き込みを行わず、閲覧のみを行うこと)です」
海上自衛隊当局も指導へ
事実、関係筋によると、海上自衛隊の「艦艇長講習」などでは、冒頭の本サイト記事も取り上げつつ、SNSを通じた情報流出の危険性について、海上幕僚監部指揮情報通信部長(海将補)名で、現役自衛官たちに対し広く伝えられたという。
しかし、そうした海上自衛隊当局の努力むなしく、FacebookやmixiなどのSNSでは、防衛省・自衛隊のうち海上自衛隊に関する情報だけが、広く漏洩しているのが現実だ。その背景について、前出のA氏は次のように話す。
「そもそも自衛隊には閉鎖的なところがある。中でも海上自衛隊は海上勤務が多く、交友関係もおのずと限られてくる。そのためか、海上自衛官は民間の人との交流をできるだけ持ちたいという思いが強い。どんなに激務でも陸上での勤務が主体で、平日はほぼ毎日自宅に帰れる陸上自衛官や航空自衛官と違い、民間の人との出会いの機会も少ない。そうした海上自衛官心理にぴったり合致したのが、SNSではないだろうか」
A氏がいう「人との出会い」とは、なにも異性との出会いではなく、近隣住民との触れ合いなど、民間企業のサラリーマンが日々経験しているような、ごく普通の日常での人との出会いである。
最高機密のはずの「潜水艦の行動」も丸わかり
さて、海上自衛隊に関する情報のうち、SNS上に流出している情報の一つが「潜水艦の行動サイクル」だ。潜水艦の行動は、各国海軍の中でも最も秘匿性の高いものである。そんな秘匿性の高い情報でさえも、SNSを通して容易に収集できることに多くの海上自衛官が気づいていないところに、この種の問題の根深さがうかがえよう。
例えば、Facebook上に流出した漏洩情報に、以下のようなものがある(筆者にて一部伏せ字)。