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格安SIMの落とし穴 表示より格段に遅い回線、改善もされず…料金が安くても大損の危険

文=長丸裕/フリーライター
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格安SIMの落とし穴 表示より格段に遅い回線、改善もされず…料金が安くても大損の危険の画像1「Thinkstock」より
スマートフォン(スマホ)の費用が安くなるから、格安SIMカードに変更しよう」

 そんなことを考えて、電話番号を変えずに事業者を乗り換えられる番号ポータビリティ(MNP)を検討している人も多いことだろう。

 格安SIMは仮想移動体通信事業者(MVNO)によって提供されており、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3大キャリアと比べて利用料金が安い。最近では、月額500円以下で利用できる格安SIM も増えてきている。

 しかし、格安SIMへのMNPを実行する前に、デメリットが生じるケースもあるということを知っておきたい。格安SIMには、近年の通信業界を賑わせている「ベストエフォート」の問題がつきまとっているからだ。

ベストエフォート型サービスとは?

 通信業界において、回線の速度数値を表示する際、よく「ベストエフォート型サービス」という表記が用いられている。

「ベストエフォート100Mbps」と表記されていた場合、「100Mbpsの速度が出るように、最大限努力します」という意味だ。表記の速度を保証するわけではないため、実際には表記より格段に遅い場合もある。そして、表記と実速度との格差が問題になることが多いのだ。

 MNP可能なMVNOが増えたことで、この問題が大きく取り沙汰されており、4月には総務省が携帯電話会社に対して、通信速度の広告表示を改めるように求める方針を固めた。

 実は、このベストエフォート型サービスの問題は根深い。古くはADSLが普及した際にも俎上に載せられており、通信サービスにおいてたびたび議論されてきた。「その一因は、回線の品質に対する業者側とユーザー側の意識の違いにある」と、通信業界関係者は語る。

「通信業者側は、低コストで回線を提供するためには、品質がある程度不安定であることは致し方ない、という意識があります。最高時速320キロの新幹線が、常時その速度を出せるわけではないのと同じように捉えているわけです。あるいは、回線を道路に例えることもできます。MVNOは高速道路(高価な回線)と比べて低コストで作られているので、狭いのは当たり前で、ユーザー(自動車)が殺到すると、当然渋滞してしまうわけです。しかし、ユーザー側はそれを理解できません。家電製品などは安くても動作が安定していることが当たり前、という意識があるため、通信サービス特有の不安定感に納得できないのです」(通信業界関係者)

 こうした意識の違いとは別に、そもそもMVNOの設備側に問題があって速度が出ない場合もある。ユーザーの増加とともに通信トラフィックも増えたことで、設備の増強が追いつかないケースが増えているのだ。

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