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飛田砂織「100年寿命時代のウェルネスビーイング」

女性ホルモン「エストロゲン」が肌の美しさを左右する…肌の老化を抑える知識

文=飛田砂織/クリニックシュアー銀座院長、医師・医学博士
女性ホルモン「エストロゲン」が肌の美しさを左右する…肌の老化を抑える知識の画像1
「gettyimages」より

 エストロゲン女性ホルモンの代表ともいえ、よく、女性では一生にスプーン1杯ほどしか分泌されないが、女性の人生にとって大変重要な役割を持っている、と説明されるものです。

 エストロゲンは主に卵巣でつくられ、3種類(エストロン、エストラジオール、エストリオール)が知られています。エストロゲンの変化は4ステージに分かれます。思春期に初潮を迎えると増え始め、20~30代が一番分泌の多い時期になります。その後、出産なども関係するため個人差があるものの、40代くらいから増減を経ながら減り始め、やがて閉経を迎えます。

 このように大切な役割を担う女性ホルモンですが、肌にとってどのような役割をもっているか、意外と知られていないかもしれません。今回はエストロゲンの肌に対する効果についてご説明します。

 まず、エストロゲンがホルモンであることとともに、脳や血管、骨などさまざまな臓器に対して抗酸化作用を持っていることは知られています。ただ、まだ研究では動物実験で行われているものが多いのです。エストロゲンが血流に乗って流れ着いた臓器で、抗酸化作用をさまざまな形で強め、健康へと導いていることが報告されています。

 たとえば、ラットの肝臓のミトコンドリアがエストラジオールによって抗酸化酵素を増やすことで、より酸化ストレスを消去することが示されたり(※1)、インスリン抵抗性を改善するとともに抗酸化力を高め、脂質の酸化を防ぐのではないか(※2)ともいわれています。今後も新たな知見が出てくるものと思われます。

 このエストロゲンの抗酸化作用により、肌の老化の7割を占めるといわれている「光老化」、また「加齢による老化」が抑えられていることが期待できます。

 光老化とは、主に紫外線によるしみ、くすみなど表面の老化、また真皮のはりや弾力、みずみずしさをもたらすコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが劣化したり減ったりすることで起こる張りのなさ、たるみや深いしわなどの肌の症状です。エストロゲンは、これらを全般的に抑えてくれることが期待できます。

飛田砂織/クリニックシュアー銀座院長、医師・医学博士

飛田砂織/クリニックシュアー銀座院長、医師・医学博士

美容皮膚科医・アンチエイジング医師 医学博士
東京女子医科大学附属成人医学センター非常勤講師(美容皮膚科)
群馬大学医学部卒業。東京大学などの救命救急センターで救急医として働いた経験や、激務で肌のトラブルを経験したことから、健康を保つための予防医療、美容皮膚治療の大切さを痛感。
日本初のレーザーなどの美容皮膚治療に特化した大学附属の美容皮膚科、東京女子医科大学附属青山女性医療研究所美容医療科(現在は成人医療センターに移転)助教(のち非常勤講師)を経て、2015年に、自らのクリニック、美容皮膚科・アンチエイジングクリニックである『クリニックシュアー銀座』を開設。

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