去る令和元年10月22日、新天皇の「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿の儀」が行われた。190以上の国々の大統領や首相、国王や皇太子などのVIPと、安倍晋三首相をはじめ日本の三権の長、皇族の方々など国の内外から約2000人が出席した。
天皇陛下は古式装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に、皇后陛下は「十二単(じゅうにひとえ)」に身を包まれ、それぞれ「高御座(たかみくら)」と「御帳台(みちょうだい)」に登られた後、天皇陛下がご即位を宣明するお言葉を述べられた。
世界に類を見ない2000年以上の伝統を誇る天皇家の格調高い儀式には、各国のVIPの方々は間違いなく驚嘆と称賛の念を持たれたに違いない。126代にわたり、連綿として続いてきた皇統は、父方の系統に天皇を持つ「男系」で維持されてきた。しかし、現在皇位継承権を持つ年少の男性皇族は、天皇陛下の弟さま・秋篠宮殿下(皇嗣)のご長男、悠仁さましかいらっしゃらない。つまり、長きにわたり続いてきた「天皇制」の危機が迫っているのである。
一方、野党の中には「女性天皇」や、女性皇族がご結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」を認めるべきだとする意見が多いし、一般国民への種々のアンケートでも70%超の人たちがこの意見に賛同している。
過去「女性天皇」は10代8人いらっしゃったが、いずれも父(系)が天皇で、女性天皇の御子さまが天皇になる(女系天皇)という例は皆無であった。こうした経緯を踏まえ、自民党の保守系有志議員による「日本の尊厳と国益を護る会」(代表幹事=青山繁晴参院議員)がまとめた提言が10月23日、発表された。
提言のポイントは、
1.男系継承を守り抜く
2.現在の皇位継承順位は一切変えない
3.終戦後、GHQにより皇族離脱を強要された旧宮家の男子が皇族復帰できるよう、皇室典範の改正、または特例法を制定する
などというものだ。国民の約70%が「女性天皇」や「女系天皇」を容認するというのだから、この提言は、ややもすると「女性差別」とも映る。つまり、日本は相変わらず「男性優位」「男尊女卑」の社会だというものである。