サラダ油やマヨネーズは万病の元!がんや認知症の危険!病気を防ぐ「摂るべき」油とは?
荏胡麻油や亜麻仁油で健康な食生活
そこで注目されるのが、亜麻仁と荏胡麻です。食べ物の中で例外的にアルファリノレン酸の含有量が多く、どちらも種子を絞った油の50~60%がアルファリノレン酸です。つまり、小さじ1杯(4グラム)の荏胡麻油や亜麻仁油でもアルファリノレン酸を2グラム以上摂れるので、1日分の摂取目安を簡単にクリアできます。ちなみに、リノール酸と違ってオメガ3系のDHA、EPA、アルファリノレン酸は摂りすぎても問題ないとされています。
オメガ3脂肪酸には、主に次のような働きがあります。
・精神を安定させる
・血栓のできるのを防ぐ
・血中の中性脂肪を減らす
・血圧を下げる
・がんの発生や増殖を抑える
・アレルギーや炎症性疾患を抑える
・記憶力や学習能力を高める
・認知症を予防する
荏胡麻油や亜麻仁油は、一昨年あたりから健康油としてテレビや雑誌でたびたび取り上げられ、一時はスーパーマーケットの棚から商品が消えて品薄状態になりました。アルファリノレン酸の効能はDHA、EPAと同じで、図のように多岐にわたります。全身の細胞膜やホルモンなどをつくるのに欠かせない“スーパーオイル”です。荏胡麻、亜麻仁のどちらも、種子そのものも食用になり、アルファリノレン酸を摂取できます。荏胡麻は日本最古の油で、日本各地で小規模に栽培されていますが、食材としては残念ながら全国区になっていません。亜麻仁はカナダやニュージーランドなどからの輸入品が多く、油だけでなくローストアマニ粒、ローストアマニ粉などの商品もあり、多くの用途があります。香ばしくクセのない食品です。
現代人に不足しているアルファリノレン酸の豊富な荏胡麻や亜麻仁は、進んで摂るべきスーパーフードといえますが、サラダ油やマヨネーズなどのリノール酸を減らさなければ、その効果は激減してしまいます。
ただ単に油脂類の摂取量を減らすのではなく、リノール酸を減らした上で、不足しているDHA、EPA、アルファリノレン酸を補う「少油生活」に切り替えることが健康な食生活の基本なのです。
(文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家)