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秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

除菌効果謳う洗剤や石鹸も不十分、生ガキや吊り革も危険…家や会社でもマスク着用

文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

(3)調理用品は日光で乾燥が効果的
 
 ノロウイルスをはじめとする急性胃腸炎の予防や、雑菌が繁殖しておこる食中毒の防止のためにも、調理用品はこまめな消毒が必要です。最近は除菌効果をPRする洗剤が売られていますが、それらにつけたからといって、ウイルスや菌が100%なくなるわけではありません。

 まな板、包丁、食器、ふきんなどは塩素系の洗剤で消毒し、こまめに日光に当てましょう。特にウイルスは水分がないと生きていられないので、日光でこれらを乾燥させるとウイルスの多くを死滅させることができます。

(4)生モノはできるだけ避ける
 
 ノロウイルスの大きな原因は、生ガキなどの貝類を食べることです。貝類は体内に毒を溜め込む性質があり、それらを口にすることでウイルスに感染するのです。そのため、この時期はできるだけ生で食べずに、加熱処理してから食べるのがおすすめです。

 また血液型がA型の人の唾液には、ノロウイルスが腸に入っていく際に必要とされる成分が含まれているといわれています。そのためほかの血液型に比べてA型の人はノロウイルスに感染しやすく、細心の注意が必要です。

(5)規則正しい生活で ウイルスに負けない体づくりをする
 
 ノロウイルスに感染しても、発症する人は全体の約6割といわれています。つまり残りの4割の人は、たとえ感染しても発症しないのです。その決め手となるのが「免疫力」。体内の免疫細胞が活発に働いていれば、たとえウイルスが侵入しようとしてもそれを防いでくれます。早寝早起き、規則正しい食事などで免疫力を高めて、ウイルスに負けない体づくりをしましょう。
(文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長)

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1988年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、「長生きするのはどっち?」「ガンにならないのはどっち?」古いワインの解説書の「古酒礼賛」などがある。

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