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目の機能を左右するビタミンAの役割
ビタミンAのもっとも重要な役目は視覚の正常化、特に明暗感知機能です。私たちの目の中には、デジタルカメラのセンサーに相当する視細胞が2種類集まっています。
ひとつは、色は認識できないけれど暗いところでも高感度で物を見ることが出来る桿体(かんたい)細胞、もうひとつは、感度が低いので暗いところでは役に立たないけれど明るいところでは色を見分けることができる錐体(すいたい)細胞です。
同じ風景でも、明るいときはカラフルに見えるのに、夜になると色がよくわからなくなってしまうのは、暗いところでは桿体細胞のみで世界を見ているからです。
ビタミンAは、高感度センサーを担当する桿体細胞にとって重要です。桿体細胞の中のビタミンAは、光で化学変化を起こし、化学変化量の違いを明暗の違いとして、外の世界を認識します。
桿体細胞のビタミンAが不足すると、化学変化が不足して明暗の違いが認識しづらくなります。結果として、昼間の視力は十分なのに夜になると目が見えにくくなる夜盲症や、明るいところから暗いところに移動したときに周囲が見えるようになるまで時間がかかる暗順応遅延が起きることがあります。
茨城県はアンコウの水揚げが多いことで有名な地域ですが、テレビドラマ『水戸黄門』(TBS系)に登場する諜報活動担当の風車の弥七が実在していたら、夜でも目がよく見えるように、せっせと地元近海のアンコウを食べていたことでしょうね。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 環境安全部製品安全グループ グループリーダー)
【参考資料】
「食品成分データベース」
『食べ物はこうして血となり肉となる~ちょっと意外な体の中の食物動態~』 野菜を食べると体によい。牛肉を食べると力が出る。食べ物を食べるだけで健康に影響を及ぼし気分にまで作用する。なんの変哲もない食べ物になぜそんなことができるのか? そんな不思議に迫るべく食べ物の体内動態をちょっと覗いてみよう。
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