「お、値段以上。」というキャッチコピーで有名なインテリアの小売メーカーのニトリ。北海道・札幌で1967年に似鳥家具店として創業以来、ここ数年のコロナ禍でも店舗数を着実に増やし、2022年1月時点で全国に623店舗を擁する人気ブランドだ。
その人気は海外でも高い様子で、2021年12月には中国に「上海久光中心店」をオープン、今年1月20日にはマレーシアに「ららぽーとBUKIT BINTANG CITY CENTRE」店をオープンさせている。1月20日時点での海外店舗数は台湾に44店舗、米国に2店舗、中国に46店舗、マレーシアに1店舗の合計93店舗となっており、世界展開も積極的なのである。
そんなニトリといえば、低価格で痒いところに手が届く便利なグッズが多く揃っているイメージがあるが、実はなかにはあまり評判が良くない商品も存在する。そこで今回は「ニトリの要注意な商品」を5つ紹介していこう。
掛け布団カバー シングル(ポリウォッシュBE S)/999円(税込、以下同)
値段がピンキリで選ぶのが難しく、買い替えのきっかけも少ないことから、購入が後回しになりがちな掛け布団カバー。そんな購入時のためらいに背中を押してくれるのが、約1000円という圧倒的な安さと柔らかな触り心地が魅力の、「掛け布団カバー シングル(ポリウォッシュBE S)」ではないだろうか。
一見するとコスパは最強そうなのだが、現物を手に取ると伸びやすく強度が弱い印象で、すぐに破れてしまうのではないかという不安を持つ。実際に購入し、洗濯機もOKのため洗ってみたが、1回の洗濯でも生地が少し伸びたように感じた。
布団への掛け外しに便利な全開可能なファスナーが付いていたり、布団がずれにくいように6箇所にボタンが付いていたりと使い勝手は良いため、短期間の使用目的での購入はアリかもしれない。
また、ニトリにはほかにも、丈夫なツイル織り生地を使用した「ひもなしラクラク掛け布団カバー シングル(NグリップパレットC BR S)」(2027円)などもあるので、長期的な使用を考えている人は、もう少しグレードの高いニトリの掛布団カバーを選んだほうが賢明なのではないだろうか。
珪藻土バスマット(カイテキサラサラ IV 29×39)/999円
優れた吸水力と速乾性の高さで人気の珪藻土バスマットは、洗濯不要というのも嬉しいポイントだろう。ニトリからも珪藻土を使用した「珪藻土バスマット(カイテキサラサラ IV 29X39)」が販売されているが、この商品には「臭いが少し気になる」という指摘があがっている。
購入後、最初に臭いを感じたのは開封時。どことなく酸っぱい、嗅ぎ慣れない独特な臭いが鼻をついた。また、実際に風呂上がりに使用した際もその臭いは感じられ、湯気に乗ってより強く感じる印象さえあった。
激臭というほどではないものの、馴染みがない臭いであることや、お風呂上がりという清潔なシーンで使用するという点から、合わないと感じる人もいるだろう。珪藻土自体の吸水性や質感は非常に気持ちが良いのだが、臭いに敏感な人は購入する際に十分検討したほうがいいかもしれない。
取っ手が取れるフライパン(20cm TORERU)/999円
フライパンを片付ける際に、取っ手がかさばることに苦悩した経験はないだろうか。「取っ手が取れるフライパン (20cm TORERU)」は、その名の通り取っ手の着脱が可能なフライパン。別売りの「TORERUシリーズ専用 着脱ハンドル(ブラック)」(999円)があれば、「TORERUシリーズ」のどのサイズのフライパンでも付け替えが可能なのだ。
非常に便利なアイテムだが、フライパンとしては致命的な焦げやすいという弱点が指摘されている。商品説明を見ると、フライパン内面にはふっ素樹脂塗膜加工が施されているようなのだが、使用してみると中火でもすぐに焦げてしまった。また、こびりついた焦げはふっ素加工が施されていないフライパンと同じくらい洗うのに手間がかかり、内面の加工がやや弱い印象を受けた。
取っ手が取れるので重ねて収納したり、調理中にフライパンをそのままレンジに入れたりできるため、ある程度の焦げやすさやこびり付きやすさは気にしないという人であれば、買ってもいいのかもしれない。
滑り止め抗菌まな板 シート付き(M)/814円
便利商品を多く揃えるニトリには、まな板にも趣向を凝らした商品が多く存在する。「滑り止め抗菌まな板 シート付きM」は、包丁を使用する際の滑りを軽減してくれるという商品なのだが、肝心の滑り止めにやや不安が残るつくりになっているのである。
まな板全体に滑り止めが使用されていればいいのだが、滑り止めが付けられているのは四隅だけ。また滑り止めのサイズが1円玉にも満たないくらい小さいので、少し強めに力を加えると、簡単にまな板が動いてしまう。そのため滑り止めに過剰な期待は禁物なのだ。
とはいえ、本体の厚さが1cmで抗菌機能まで付いており、1000円以下というリーズナブルさを考えれば十分なコスパだろう。サイズもM、L、LLの3種類が用意されているため、キッチンの大きさに合わせて選ぶこともできる。安さ重視でまな板を購入したいのであれば、買ってもいいかもしれない。
USB卓上超音波加湿器(NI ホワイト)/1190円
まだまだ続くコロナ禍にあって、空気清浄機や加湿器の購入を検討している人も多いのではないだろうか。「USB卓上超音波加湿器(NI ホワイト)」は、USB接続で使用でき、パーソナルエリアを加湿することができるアイテムだ。
コンパクトな見た目が特徴で、大きさはだいたいグラス1つ分。さらに1時間あたりの電気代は約0.1円(約27円/kWhで計算した場合)と、経済的にもありがたい設計。デスクワークで、自分の周囲だけ加湿できれば十分というビジネスパーソンには、うってつけの商品に思える。
しかしこの加湿器、水を入れる容器部分に蓋がなく、そのため非常に水がこぼれやすいのが難点。公式HPの画像では、パソコンのUSB端子につなげて使用する画像が載っているが、万が一こぼれてパソコンに水がかかってしまったら……と思うと、使うこと自体を躊躇してしまう。
ちなみに、そんな消費者の不安を察してか、同じくニトリから「倒しても水がこぼれにくい USB卓上超音波加湿器(NI ホワイト)」(1490円)という、上位互換的モデルも発売されている。少し値段は高いがこぼれる心配は格段に減るため、ビジネスパーソンにはこちらのほうがおすすめである。
今回はニトリの要注意な商品を5つ紹介した。ニトリでは生活に役立つグッズが多く販売されているが、なかには今回紹介したようなちょっと不便な商品や、使う人を選ぶような商品も存在する。今回の記事をニトリでのショッピングに生かしていただければ幸いである。
(文・取材=A4studio)
※情報は2022年2月7日現在のものです。