新型コロナウイルス感染症の影響によって、コンビニエンスストア業界もまた苦戦を強いられている。業界3位の「ローソン」も例外ではなく、既存店売上高と客数は2020年2月から8月までで7カ月連続で前年割れが続き厳しい状況にある。
だが、ローソンは9月に冷凍食品のブランド「ビストロシリーズ」を立ち上げるなど、この秋も意欲的な商品展開を見せているようだ。そんなローソンのラインナップのなかにはユーザーから支持を集める商品がある一方で、悪い評判が聞かれるような商品も存在している。
そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では、「この秋、食べるべきではない商品」を5つセレクトした。あくまで調査班が独自にリサーチして選出したものではあるが、ローソンでの買い物の参考にしていただければ幸いである。
エビマヨ/328円(税込、以下同)
働き盛りのビジネスパーソンにとって、手軽に調理できる惣菜は食事に彩りを添えてくれる便利な存在だ。「エビマヨ」も、電子レンジや沸騰したお湯で簡単に温めることができるチルド食品のひとつ。しかし、利便性に優れているものの味についてはあまり良い評判を聞かない商品となってしまっている。
ユーザーから欠点として挙げられているのは、商品の主役であるエビの質感。328円とコンビニの惣菜としては比較的高めな価格設定にもかかわらず、袋に入っているエビは4個しかなく、しかもひとつひとつのサイズも小さい。味についても値段相応といえるほどの美味しさがあるわけではなく、むしろ甘ったるさが印象に残って微妙な風味に感じられた。
甘いエビマヨが好きだという方にとってはおすすめかもしれない。だが、しっかりとエビの食感や旨味を味わいたい方や、値段に見合ったボリュームやクオリティの惣菜を食べたいという方は、いくら調理が楽だとはいえ買い控えるべきだろう。
悪魔のおにぎり/110円
2018年10月にデビューし、一時はローソンのおにぎりで販売数トップになったこともあるという「悪魔のおにぎり」。その人気にあやかってか、「悪魔」シリーズとしてさまざまな商品が登場。当サイトで2019年10月に掲載された記事『ローソン、「異常にハイクオリティ」と話題の食品5選…超からあげクン 悪魔のおにぎり味』でも、「超からあげクン 悪魔のおにぎり味」を紹介したことがある。
そんな「悪魔のおにぎり」は、めんつゆで炊かれたご飯に天かすや青のりなどが混ぜ込まれている商品で、あまりの美味しさで食べすぎてしまうことから“悪魔”と名づけられた。しかしながら、好評な意見ばかりでなく“油っぽい”“パンチに欠ける”などの声も見受けられる。実際に食べてみたが、確かにやみつきになるほどの強烈さはなく、どこかぼんやりとした普通のおにぎりに感じられた。つまりは好みが分かれやすい商品ということだ。
また、最初に登場してから2年あまりの時間が経ち、「悪魔のおにぎり」の風味を家庭で手軽に再現できるような後発商品も現れ、相対的な価値が下がっているということもあまりおすすめできない理由のひとつ。決して美味しくないわけではないが、今改めて購入する意義が薄くなっている商品といわざるを得ないだろう。
ウチカフェ タピオカメロンミルク 果肉入り 240g/248円
2017年頃からタピオカの大ブームが巻き起こったことは記憶に新しい。現在でもコンビニなどでタピオカ入りのドリンクが販売されており、今年の6月2日に発売された「ウチカフェ」シリーズの「タピオカメロンミルク」もそんな商品のひとつ。
しかしながらこの商品、あまりおすすめできないドリンクとなっている。ドリンクの底に沈んでいるタピオカはつるつるとしていて弾力がなく、メロンミルクも甘さが強すぎてくどさを感じてしまうと、味に難点を抱えているのだ。
値段も248円とコンビニのドリンクとしてはやや高めなことも微妙なポイント。メロン果肉の食感が味わえるなどこの商品ならではの魅力もあるのだが、もちもちとしたタピオカの食感を楽しみたい方、甘すぎるドリンクが苦手だという方は、避けたほうが無難かもしれない。
Uchi Café×GODIVA テリーヌショコラ/350円
ローソンと高級チョコレートブランドの先駆けとして有名な「GODIVA」は、何度かコラボ商品を発売している。だが、なかには2020年2月掲載の当サイト記事『ローソン、今買うと後悔する食品5選…粉っぽいコーンスープ、べちゃべちゃのかつ丼』で紹介した「メルティショコラ」のように、微妙なクオリティの商品も存在する。今回紹介する「テリーヌショコラ」も、残念ながらおすすめしづらい商品に分類されるだろう。
高級感が溢れるビジュアルや、濃厚な口当たりで甘すぎず苦すぎない絶妙な味わいのショコラのクオリティは申し分ないのだが、問題はそのサイズ。手のひらに収まるような大きさで、成人男性であればふたくちほどで食べきれてしまうようなボリュームとなってしまっているのだ。
GODIVAとのコラボということもあって味自体は極めて高いクオリティを誇るため、サイズの小ささをわかったうえで購入するのであれば後悔はないかもしれない。しかし、品質だけでなく値段に見合った量を楽しみたいというのであれば、コスパに優れた別の商品を当たるのが賢明だといわざるを得ない。
台湾まぜそば/498円
激辛ブームはこれまでたびたび到来しており、近年のブームは第4次の激辛ブームにあたるそうだ。それに乗じてコンビニでもさまざまな激辛食品が登場しており、今年8月11日から発売されている「台湾まぜそば」もそういった商品のひとつである。
「台湾まぜそば」はネギやニラ、にんにく、ピリ辛ひき肉、卵黄をイメージしたソースなどの豊富な具材と、もちもちとした太麺が特徴。実際に食べてみたところ、ガツンとしたにんにくの風味や、食べ応えのある麺と具材の食感から、非常にボリュームたっぷりな商品だという印象を抱いた。
多くの魅力がありながらも買ってはいけない商品として紹介する理由は、その辛さにある。器の底にあるスープの痺れるような辛さは、麺や具材の味を上書きするような強烈なインパクトがあるのだ。逆に辛い料理が得意な方にとっては、打ってつけの商品といえるだろう。
コンビニフードのクオリティは年々上がっており、今回紹介した商品のなかにもまったく取り柄がないような商品は少ない。しかし、食べる人間を選ぶような尖った商品であることもまた事実なので、後悔しないよう冷静な買い物を心がけてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)