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シートベルトの着用が明暗を分ける(depositphotos.com)
6月10日、愛知県新庄市の高速道路上で突然、対向車線の乗用車が中央分離帯を飛び越え、観光バスに衝突してきたのは、バスが東名高速に入ってわずか10分後の出来事だった――。
バスガイドの山本梅予さんは、運転手で夫の良宗さんと共にバス出発前後と、東名高速に乗る直前にもう1回の計3回、「シートベルトの着用」を呼びかけたという。
梅予さんはガラス破片で顔を切り、ハンドルを握っていた良宗さんは肋骨5本を折り、重傷者も出たものの、乗客乗員47人の命に別状はなかった。
「(シートベルト)着用で命が助かった。事故に遭わないと、その大切さはわからないかも」
会見での山本梅予さんの実感コメントに、死亡者15人(その大半がシートベルトの非着用で生死の明暗を分けた)を数えた2015年1月の軽井沢スキー転落事故の惨劇を想起された方も多いだろう。
あの事故以降、国土交通省では日本バス協会傘下会員間の周知・徹底化を要請。乗員による着用の目視確認やベルト/バックル類の埋没防止、リーフレット類での注意喚起を促してきたが、今回の死亡者ゼロ案件は一定の成果を物語ってもいるだろう。
では、もう少し身近な公共交通であるタクシー内での着用現況はどうだろうか。
タクシーでの着用現況は?
「昨年あたりまでは『後ろもしなきゃイケないの?』『すぐ、ソコなのになあ』などと、不満気味のお客様がまだ結構いました。それが最近は『しないとイケないんだよね』とか『距離の問題じゃないよね』と言う方が出てくる程度に、多少は進歩した感じです」(法人ドライバー)
彼の車内の場合、乗車時のアナウンスが1回、会社の指示による口頭でのくり返しが1回、さらに高速利用の場合は事前に口頭でもう1回の計3回、乗客への「シートベルトの着用」を呼びかけているそうだ。
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