手軽に食べられるおいしいファストフードとして人気の高い牛丼チェーン。牛丼御三家とも呼ばれる「吉野家」を展開する吉野家ホールディングスは2020年3~11月の、「すき家」を運営するゼンショーホールディングスと、「松屋」を展開する松屋フーズホールディングスは20年4~12月の業績を発表した。
コロナ禍で苦戦を強いられたこともあって、今回の連結決算は3社とも赤字を出しているが、最終損失は松屋フーズHDが18億6600万円、吉野家HDが54億9900万円と大きく数字を落としているのに対し、ゼンショーHDは1億9200万円に留めている。
厳しい状況にある牛丼御三家だが、どのチェーンも甲乙つけがたい絶品メニューが並び、新商品も続々と登場している。そこで、独自にリサーチした「この春、買うべき3大牛丼チェーンの商品6選」をご紹介しよう(価格は税込み)。
吉野家/牛焼肉丼(並盛)/602円
最初に紹介するのは、3月1日に登場した吉野家の新商品「牛焼肉丼」。着想のもととなっているのは15年に登場した定番商品「牛カルビ丼」で、カルビに続いて、牛肉のバラ肉の一部にあたるショートプレートという部位を甘辛な特製たれで焼き上げた商品だ。
ショートプレートは牛一頭から10kgほどしか取れない貴重な部位とされ、赤身と脂身の調和がとれた甘味と旨味が多い、まろやかな肉質が特徴。SNS上では 「炭焼きが香ばしい!」と好評を博している。
実食してみると、よく焼きあがった焼肉が口の中で白ねぎとごまの風味とともに香り、とても美味。そして、添付のソースをお好みでかけて食べると、よりいっそう焼肉らしさが増して食が進む。焼肉好きには、ぜひおすすめしたい逸品だ。
吉野家/油淋鶏から揚げ丼(並盛)/613円
続いては同じく吉野家から、一部店舗限定で販売されている「油淋鶏から揚げ丼」。こちらは大判サイズのから揚げにピリ辛なたれとねぎをかけて、油淋鶏という中国料理を再現した商品となっている。
揚げたてにこだわったから揚げは、注文からでき上がりまでに10分もの時間を要すると言われており、実際に注文してみたところ、確かに受け取りまでに約10分かかった。しかし、消費者からは「揚げるまでの10分を待つのが苦にならないくらいおいしい」「リピートしている」など、その魅力を語る声は多い。
揚げたてのから揚げはとても大きい鶏肉を使っていて、噛み応え抜群。ピリッとした辛さも引き立っていて、ついてくるマヨネーズで味変も楽しめて、まさに◎。
すき家/ナムル牛カルビ丼(並盛)/680円
次に紹介するのは、昨年6月17日に登場し、今年3月3日から復刻発売されているすき家「牛カルビ丼」シリーズの一品「ナムル牛カルビ丼」。カルビの厚みやたれの配合などに2年半もの開発期間を費やして誕生した「牛カルビ丼」に、ごま油と胡椒が効いたもやしとほうれん草のナムルを添えた商品だ。
すでに口にした消費者からは、「牛カルビとナムルの組み合わせが大好物」「肉のやわらかさとナムルのシャキシャキした食感がたまらない」といった称賛の声が上がっている。
実際に食べてみたところ、長い開発期間を費やしただけあってカルビはやわらかく絶品で、たれもカルビの旨味を引き立てている。さらに、ナムルとの相性も抜群。「牛カルビ丼」シリーズにはナムルの他にチーズやキムチをトッピングした商品が並んでいるが、やはり評判通り、ナムルがベストな組み合わせと言えそうだ。
すき家/オニオンサーモン丼(並盛)/680円
「オニオンサーモン丼」は脂が乗ったサーモンにスライスしたオニオンを合わせた、すき家定番の海鮮メニューだ。薬味にはお好みで入れる刻みのりとわさびマヨが添付されていて、このわさびマヨが絶妙な味わいだと好評なのである。
実際に食べた消費者の感想としては「わさびマヨが鼻を刺激するけどおいしい!」「脂の乗りがいいサーモンにシャキシャキなオニオンが合う」と絶賛が飛び交う。また、味に言及した感想以外では「ランチで手軽に海鮮料理が食べられるのはうれしい」といったサラリーマンの声も。
実食してみると、たっぷりと盛りつけられたサーモンは厚みもあって食べ応え十分。生魚だが生臭さは一切なく、味もとてもおいしい。評判のオニオンとわさびマヨの組み合わせは絶品で、わさびマヨのつけすぎにだけは要注意といったところだ。
松屋/旨辛牛焼ビビン丼(並盛)/550円
松屋「旨辛牛焼ビビン丼」は、19年5月に開催された、豚肉を使用した「ビビン丼」との人気対決で惜しくも敗れた「牛ビビン丼」が3月2日にパワーアップして復活したという経緯を持つメニュー。一部店舗ではひっそりと販売されていたらしいが、丑年を迎えるにあたって全国の定番メニューに加わることになったという。
松屋の定番メニューである「牛焼肉定食」に使用されているジューシーでボリューム満点の牛肉が使われていて、SNS上では「よく焼けた牛肉とキムチの組み合わせがパンチ効いていておいしい」などと評価されている。
実際に口にすると、牛肉とキムチなどの野菜との食い合わせが抜群で、「ビビン丼」よりも食材の相性がいいのでは、と感じるほど。また、松屋のカウンターに置いてある焼肉のタレやバーベキューのタレをかければ味変が楽しめるので、イートインで食べる場合は試してみてほしい。
松屋/厚切りネギ塩豚焼肉丼/580円
最後に紹介するのは、2月23日に発売された松屋の「厚切りネギ塩豚焼肉丼」。これは、定番メニューである「ネギたっぷりネギ塩豚肩ロース丼」が、豚肩ロースをより厚切りな肉にパワーアップして生まれ変わったメニューだ。
SNSなどでは「どういう処理をすれば、こんな肉がやわらかくなるんだろう」と肉の食感を称賛する声が上がり、他にも「ごま油とすだちの効いた塩ダレがおいしい」とたれを称えるような感想も多い。
実際に食べてみると肉にやわらかさと弾力があり、噂に違わず非常に美味。たれは酸味が効いたすっきりした味わいで、さわやかな印象。黒胡椒もアクセントになっていて、一度食べたらもう一度食べたくなってしまうかも。
――牛肉の他にも、豚肉、鶏肉、海鮮品を使った多種多様な商品がメニュー表に羅列されているため、時には何を頼むか迷ってしまうこともあるだろう。そんな場面では、ぜひとも本記事を参考にしていただけたら幸いだ。
※情報は2021年3月19日現在のものです。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)