本日(6月13日)発売の「週刊文春」(文藝春秋/6月20日号)が、サッカー日本代表の本田圭佑の「レーシック手術失敗疑惑」ではない「深刻な『病名』」について報じている。
今月4日夜に埼玉スタジアムで行われた2014年サッカーワールドカップブラジル大会アジア最終予選・日本対オーストラリア戦では、1点リードされた日本が試合終了間際の本田のPKで追いつき、世界に先駆けワールドカップ出場を決めた。本田はPKをゴールのど真ん中に決め、その強心臓ぶりがあらためて注目を浴びている。また翌日に行われた記者会見では、本田がワールドカップ本大会に向け個のレベルアップの重要性を強調し、和やかな会場を引き締めたが、その際「応援してくれたファンの皆さん、あることないこと書いてくれたメディア、そしてスポンサーに感謝したい」と発言。「あることないこと書いてくれたメディア」とは、本田の「レーシック手術失敗疑惑」を報じた4月4日発売の文春(4月11日号)と見られている。
この文春の記事では、屈強なフィジカルが売りの本田が「今年に入り発熱や腹痛といった怪我以外の理由で試合を欠場することが多くなった」体調不良の理由として、レーシック手術の後遺症ではないかと報じた。昨年6月に新宿近視クリニックの広告キャラクターに起用されると、本田自身もレーシック手術を受けた。その後、本田を追ったドキュメンタリー番組『プロフェショナルの流儀 特別編』(NHK)が今年3月に放送されると、ネット上では本田の眼に対して違和感が囁かれ、「レーシック手術の失敗」を疑う声が上がった。文春の記事では、レーシックに詳しい眼科専門医が番組の映像を見て「眼瞼下垂の症状が出ている」とコメントしたり、0.4の視力を2.0に矯正したことについて「過矯正の可能性がある」と報じた。
しかし、今回の文春では「『過矯正』による体調不良の可能性を指摘する専門家もいる」と前置きした上で、本田の「眼球がキョロキョロと左右に振れる」症状について注目している。
記事ではレーシック手術の後遺症に悩む患者を多く診てきた医師が、「眼球が左右に揺れる『眼振』は、レーシック手術の影響は考えにくい」と文春の過去の報道を否定。その代わりにサッカー関係者の声として「バセドウ病」疑惑を報じている。
本田の所属事務所は否定
本田の「バセドウ病」疑惑については、以前からネット上で囁かれていた。「バセドウ病」とは甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気で、代表的な症状として「甲状腺腫」「眼球突出」「動悸などの甲状腺ホルモンの過剰によって起こる症状」などがあるという。他にも手足の震えや汗をたくさんかくようになる、また疲れやすくもなるという。記事では、医学ジャーナリストが本田は「眼球突出」に当たるとし、帝京大学医学部教授も「バセドウ病は稀に『眼振』もありますし、本田選手の場合は『グレーフェ徴候』が見られます」と指摘している。
本田の所属事務所は文春の取材に対し「レーシック手術の影響は一切ありません。体調も回復に向かっています」と否定している。
しかし、ここで引き下がらないのが文春。本田の性格を考えると病気であることは公表せず「黙って乗り越えて。自分が辿り着いたところに着いてはじめて、『実は……』と真相を語るような気がします」(サッカー関係者)との声を紹介している。
サッカー選手ではジュビロ磐田の山崎亮平、カズこと三浦知良の兄・三浦泰年もバセドウ病を患っていたという。また、歌手の絢香は2009年にバセドウ病のため活動を休止した。他にもピンク・レディーの増田恵子、ロンドンオリンピック女子バタフライで銅メダルを獲得した星奈津美もバセドウ病だった。
しかし、仮に本田がバセドウ病だとしても、サッカーのような激しいスポーツをすることは可能なのだろうか。
甲状腺治療を専門とする金地病院の山田惠美子院長に聞いてみると、「一応は適切な治療をすれば何をしても大丈夫」とのこと。
本田は今やサッカー日本代表には欠かせない選手。ワールドカップ最終予選最後のイラク戦を控えた前日の記者会見で、記者から「本田不在のチームは欠点を抱えている。その課題を踏まえ、どう戦うのか」と質問を受けたザッケローニ監督が「その意見には同意できない」「ケイスケがいない試合で良い結果を残せていないというのは事実ではない」とキレたとも報じられるなど、本田の存在の大きさがうかがえる。
また、かつてインタビューで「怪我をして逆にチャンスやなと思う」と言い放ったという本田のこと、仮に「レーシック手術の失敗」や「バセドウ病」が「あることないこと」の「あること」であっても、それらを克服し1年後のワールドカップブラジル大会では日本代表を引っ張っていってくれることを願いたい。
(文=本多カツヒロ)