庶民の懐に優しい飲食店として、人々の暮らしを支えている牛丼チェーン。その中でも、吉野家・すき家・松屋の大手3社が“牛丼御三家”と呼ばれているのをご存じだろうか。
以前は牛丼チェーン業界で飛び抜けた存在だった吉野家だが、現在は業績が下降気味。同店を手がけている吉野家ホールディングスは、2018年度第3四半期(18年3~11月)決算で5.6億円の営業赤字に落ち込んでしまったという。
吉野家とは対照的に好調なのが、すき家だ。運営元のゼンショーホールディングスは18年度第3四半期(18年4~12月)決算で営業利益が146億円だったことを発表。また、松屋を展開している松屋フーズホールディングスも、19年3月期第3四半期(18年4~12月)決算で、営業利益が前年同期比12.3%減ながら30億円と悪くない業績を上げている。
いずれも低価格で牛丼を提供しているチェーン店なのに、ここまで利益に差が出るのはなぜなのか、不思議に思う人も多いかもしれない。しかし、この3社はそれぞれ個性的な商品を提供しており、セールスポイントがまったく違うのだ。
だが、熱心な牛丼マニアでもなければ、どのブランドの何を食べるのがベストなのか、迷ってしまうことだろう。そこで、今回は「この春、買うべき3大牛丼チェーンの商品6選」を紹介する(価格は税込み)。
吉野家/炙り塩鯖定食/690円
まずは、吉野家が昨年4月より提供している「炙り塩鯖定食」。テイクアウトができず店内限定の商品だが、見つけたらぜひ頼んでほしい商品だ。
一番の特徴は、店員がバーナーを使い目の前で鯖を炙ってくれるところ。友人や家族と一緒の際にオーダーすれば、チェーン店とは思えない派手な演出に大盛り上がりとなるはずだ。
もちろん、味のほうも格別。ふんだんに脂の乗った塩鯖が香ばしく炙られており、ごはんが進むこと間違いなし。また、大根おろしがついているのもうれしいところ。最後まで、脂っこさに苦しむことなく完食できそうである。
吉野家/新味豚丼・並盛/350円
続いて取り上げる「新味豚丼」は、吉野家の定番商品となっていた「豚丼」を昨年3月にリニューアルした渾身の商品。うまみと食感を生かすように煮られた豚肉が、誰の口にも合うであろう甘辛タレで和えられているのだ。
豚肉やごはんにまぶされたゴマはいい脇役となっており、大きめに切られた玉ねぎはシャキシャキ感を残しつつも、しっかりと味が染み込んでいる。並盛350円と、ゴールデンウィーク後で懐がさびしくなりがちな今の時期に重宝する格安商品ながら、こうした細かい仕事も見逃せない逸品だ。
すき家/とん汁鮭定食・ごはん並盛/600円
すき家のおすすめとして紹介する1品目は「とん汁鮭定食」。「高菜明太マヨ牛丼」(並盛480円)や「とろ~り3種のチーズ牛丼」(並盛500円)など、奇抜な商品が好評を博している同チェーンにおいてはわりと地味な商品でありながら、インターネット上でのクチコミではかなりの人気となっている。
見た目以上に脂が乗っているという鮭はジューシーで、600円と手頃な価格の定食のメインおかずとは思えないと評判。セットのとん汁とごはんもボリューム十分なので、これから職場へ向かおうというビジネスパーソンのエネルギー補給には最適な商品ではないだろうか。