セキュリティ企業・トレンドマイクロのブログによれば、Android端末を狙った不正アプリの新しい手口が報告されている。「最速充電」「まるごとアイフォンコンバーター」といった“便利ツール”を装ったもので、2012年後半から目立つようになっているという。
ユーザーが便利さにつられて不正アプリをインストールして、いざアプリを起動させようとしても、エラーメッセージが出てアプリを使うことができない。しかしその裏では、スマホの中にある個人情報がひそかに盗み取られてしまうというものだ。
年明けにはこの不正アプリのパターンが増えて、「アプリ福袋」「年賀状・メイカー」「芸能人ゴシップまとめエビ」といったものが見つかっている。「楽しそう」「便利そう」と思って不用意にインストールすると、とんでもない目に遭う恐ろしい不正アプリである。
さらにタチの悪いことに、この不正アプリはAndroidアプリの公式マーケット「Google Play」を装ったサイトで配布されている。「公式マーケットだから安心」と思っていたら、実は悪意ある不正アプリ配布サイトだった、ということになってしまう。
以前の記事(http://biz-journal.jp/2012/09/post_663.html)にも書いたように、不正アプリがいかにも怪しげな非公式マーケットだけでそのまま配布されることはなくなっている。スマホユーザーのセキュリティ意識も高まってきているので、怪しげなアプリをそのまま配布してもユーザーはひっかからないということを、IT犯罪者もよくわかっているのだろう。
だからこそ、「Angry Birds Space」や「Instagram」といった人気アプリを装うことで、人々の警戒心を解くような手口が広まっている。あるいは、人気アプリ(を装った不正アプリ)を無料で配布することで、「あわよくば無料で好きなアプリを手に入れたい」という人々の欲求につけ込もうとする。
その上、人気アプリを装うだけにとどまらず、公式マーケットに似せた配布サイトまで作るようになったというわけだ。多くのスマホユーザーは、公式マーケットや携帯電話会社が運営するマーケットを利用する。そうしたAndroidマーケットの高い信用度を悪用して、ニセのサイトで不正アプリを配布する手口は本当に悪質である。