2018年あたりから盛り上がりを見せているeスポーツというジャンル。プロ選手の数も増え、日本人選手の活躍や獲得賞金がメディアで話題になることも増えた。
このeスポーツの盛り上がりとともに広く市場に出てきたゲーミンググッズも身近なものになって、ゲーミングチェアやゲーミングマウス・キーボードなどは今や家電量販店などでの展示販売も一般的だ。このゲーミンググッズのラインナップが拡大を続けていて、ゲーミングマスクや毛布まであることは、知る人ぞ知る事実。
元はゲームを快適にプレイするためのグッズ類
ゲーミンググッズの正確な発祥はわからないが、少なくとも日本でこの種のグッズが市民権を得始めたのは、PC(パソコン)からだと思われる。eスポーツやPCでゲームをする人たち向けに、より快適でスムーズなプレイをするために整えられたPCを「ゲーミングPC」と呼ぶようになって、製品化された流れだ。当初はデスクトップPCのみだったが、技術革新に合わせて最近では「ゲーミングノート」というノートPCも多数商品化されている。
その後、(理由やタイミングなどは諸説あるが)ある時点から「七色に光る」ギミックが導入され、ゲーミンググッズの定番となっている。LEDを各所に搭載し、デコレーション目的に七色に光ったり、音楽に合わせて照明が連動するなどの機能があるのが一般的で、インスタ映えというか見た目は派手で目を引く。だが、ゲームプレイにはこれといった恩恵はなく、なぜこのギミックがゲーミンググッズの定番になっているのかは今でもよくわからない。
その後、ゲーミンググッズはチェア(椅子)、マウスやキーボード、ヘッドセット、ディスプレイなどPCゲームに不可欠な周辺機器はほぼ制覇し、ある意味出尽くした感があった。
ちなみに、これらの製品にも七色に光るギミックは導入されていることがほとんどで、同じメーカーで揃えるとLEDが連動するなどの機能もある。
ゲーミングブランドの波は留まることを知らず、ありとあらゆるものにまで広がっている。一例を挙げると、ゲーミング(エナジー)ドリンクがブームになりつつある。ゲーミングドリンクの定義ははっきりしないが、「ゲームプレイ時の集中力を高め、リフレッシュと水分補給もできる飲料」ということがよく謳われている。国内メーカーだと、サントリーや大塚食品も参入しており、コンビニなどでも販売されている。
何に使うの? ジョークグッズ? かと思うものまで光りまくる!
このへんまでの商品は、ゲームとの親和性から見て「まぁわかる」ぐらいの理解はできるが、中にはなんで? といいたくなるようなグッズもある。最近、ようやく品不足が解消されつつあるマスクだが、「ゲーミングマスク」なるものがクラウドファンディングで話題になっている。
このご時世、マスクが必要なのはわかるが、七色に光る必要は感じない上、光らせるためには使用前に充電が必要だし、仕様上洗濯ができないと記載がある……。だが、待ち望まれていた商品なのか、目標額10万円に対して、800%超えの達成をしている。
「ライトニングタワー」と名付けられたこの商品は、アメリカに本社を置くPC周辺機器メーカーのコルセアが発表した製品。お約束の七色に光るギミックはいいとして、これはなにに使うかというと、ただの照明のようだ。
公式サイトの写真を見ると、PCの周囲に設置されて光っている様子がわかるが、普通に考えてゲームするときにこんな至近距離で発光する物体があると目障りなような気がする……。一応、ヘッドフォンハンガーの機能はあるようだが、なんとも不思議な商品だ。
最後に紹介するのは、「ゲーミング着る毛布」。人をダメにするソファというジャンルがあるが、ある種それに近い商品だ(この商品は光らない)。公式サイトの説明には、「あらゆるプレイスタイル・ゲーミングデバイスとの相性を極限までに高めた、“ゲーマーの身体に馴染む”着る毛布です」とある。
しかし、ある種真面目に考えられている部分も多々あり、フードをかぶったままヘッドセットを着用できる「ヘッドフォンスリット」や、脱がなくてもトイレができる「着たままトイレシステム5.0」など、思わず目が止まる機能も。
このゲーミング着る毛布はバウヒュッテというメーカーから出ているが、同社からは「ゲーム、アニメ、食事、睡眠」の4つを完結できる究極のゲーミングライフベッドもラインナップに入っている。
テレワークや外出自粛で可処分時間が増えてゲームに触れる人口が増えている現状を考えると、ゲーミンググッズ市場はより活性化する可能性がある。今度出てくるゲーミンググッズはなんだろうか?