サッカーゲームの代表的存在として20年以上にわたって日本国内のみならず、海外でも多くのユーザーを獲得している『ウイニングイレブン』(以下、『ウイイレ』)シリーズ。現実のサッカーシーズンの更新にあわせて毎年新作が発売され続けている本シリーズだが、近年はさまざまなゲームモードが搭載されている“本編”がリリースされたのち、一部のゲームモードが無料で楽しめる“ライト版”も配信されるのが定例化。
今年も例外ではなく、2020年12月7日に最新作『eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE』をベースにした、『eFootball ウイニングイレブン2021 LITE』の配信がPlayStation 4(PS4)、Steamでスタートした。今回はそんなライト版でも遊べる現在の『ウイイレ』で一番人気のゲームモード、myClubの魅力を紹介していきたい。
現役選手にレジェンドOBを加えた夢のチームがつくれるmyClub
『ウイイレ 2021 LITE』で遊べるmyClubは、オンラインで遊べる基本料金無料のゲームモード。ゲームスタート時に与えられたベースチームに新選手や監督を加えつつCPUや他のプレイヤーと対戦、そこで得られる報酬で選手を育成していき、自分の理想となるクラブチームをつくり上げていくのが目的となっている。
選手獲得はエージェントによるスカウト、いわゆる“ガチャ”で行なうため、強力(有名)な選手をゲットするには運、もしくはある程度の課金が必要にはなっているのだが、グラフィックや操作感、1対1での勝負はもちろん、3対3で戦うCO-OPも実行可能など、試合部分そのもののクオリティは最新作である『eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE』とまったく同じ。選手の質を気にしなければ、ひたすら無料で高水準なサッカーゲームの対戦が続けられるのは、大きな魅力だ。
また、有償で行うスカウトで出てくる選手の大半は、ヨーロッパや南米で活躍するトップレベルの選手なため、ゲーム内で設定されたレアリティが低い選手を獲得しても“ハズレ”と感じることは(個人的には)少なめ。たとえばセリエAボローニャに在籍している冨安健洋選手などは“低レアだけど使える”選手の筆頭のような存在で、レアリティは有償で引ける選手の中では一番低い“銀”のカテゴリーだが、コストは低くレベルアップのペースは早い。気軽にドリームチームが作れるmyClubではあるが、チームに設定された総コストを超える選手を登録してしまうとチーム全体の力が大きく下がる。そのため富安選手のようなコスパのいい選手、ブレイク前の若手選手も活用していくと、より効率よくチームを強化できる。こういった選手を集めて育成するのもmyClubで体験できる楽しみのひとつといえる。
一方でなかなか手に入らない“黒”以上のカテゴリーには、2020-2021シーズンに活躍しているトップ中のトップの選手が用意されている。さらに“アイコニックモーメントシリーズ”という最高級の選手カテゴリーでは、現役選手&引退したレジェンドたちが、特別な活躍をした“瞬間”をもとにした能力値で登場する。
たとえばメッシであれば“ドリブルでの5人抜きを見せた19歳の頃”“シーズン50ゴールを達成した20代”“アシスト能力が開花した30代”と、微妙に能力が異なるアイコニックモーメントシリーズとして複数用意されている。
レジェンド選手に関してもフランチェスコ・トッティやスティーブン・ジェラードといった最近引退した選手はもちろん、ヨハン・クライフのような1970年代に活躍した、レジェンド中のレジェンドも期間限定ではあるが登場(余談ではあるが、こういったレジェンド選手がmyClubに登場すると、唐突に”クライフ”や“ジェラード”といった選手名がTwitterのトレンドあがることも)。現在進行中の2020-2021シーズンだけでなく、歴史に名を残すスター選手も加えた理想のチームがつくれるようになっている。
現実の海外サッカーとリンクしたイベント展開、選手の追加
本作はアイコニックモーメントシリーズで過去の選手をフォローする一方で、現実の海外サッカーの動きとリンクした選手の追加や、イベントが定期的に開催されるのも特徴のひとつ。まず選手の追加に関してだが、ヨーロッパ、南米各国でリーグ戦が行なわれている現在のような時期は、直前の週末の試合での活躍に応じて何名かの選手が“注目選手”としてピックアップされる。注目選手に選ばれた選手は、実際の試合で見せたパフォーマンスをもとに、通常より能力が強化された状態で登場する。期間中に注目選手をスカウトできると、能力が上がった状態のままずっと(おそらく次の『ウイイレ』新作が発売されるまで)myClubで起用可能になる。
12月からはウイイレ公式のeスポーツ大会「eFootball.Open」がスタート。このオンライン大会に参加すると、レジェンド選手や限定ユニフォームなどのアイテムと交換できるe.Footballポイントが付与。その他、欧州サッカークラブと契約したプロリーグ「eFootball.Pro」を視聴したり、おおよそ1週間単位でプレイヤーが2つの陣営に分かれて戦うMatchdayに参加することでもポイントが貯まる。このように様々な方法で『ウイイレ』を楽しみポイントを貯めていけば、“ガチャ運”に左右されることなく、中田英寿やピルロ、ベルカンプといったチームの主軸になりうる選手を獲得可能。ライト版でも高レアリティの選手をmyClubに加入させられるようになり、遊びの幅が広がった。
ライト版という触れ込みながら、『ウイイレ』最新作と同様のクオリティの対戦とmyClubモードでのチームづくりが楽しめる本作。今後も現実のサッカーイベントにあわせた注目選手の追加やMatchdayの開催、アイテム交換に使えるポイントがもらえるeFootball.Openといったイベントは半年近く(現実の海外サッカーの2020-2021シーズンが終わるまで)続くはずなので、2021年が始まるこのタイミングで、進化したサッカーゲームの世界に触れてみるのはいかがだろうか?
(文=丸谷健太/ライター)
ゲーム名:eFootball ウイニングイレブン2021 LITE
メーカー:KONAMI
対応機種:PlayStation4、Steam
ジャンル:スポーツ
発売日:2020年12月8日
価格:無料(オンラインプレイには別途PlayStation Plusへの加入が必要)