Windows 8のマイナーバージョンアップ版「Windows 8.1」についての情報が、6月に入ったあたりから続々と出てきている。ちょうどコンピュータ関連の大きなイベントが相次いでいることもあり、今後も少しずつ正体が明らかになっていきそうだ。
バージョン名に小数点がつくのは「Windows 3.1」以来。この0.1分のバージョンアップで何が起こるのだろうか?
●「スタートボタン」は復活しない
Windows 8で大きく変わったことの1つが、スタートボタンの不在だ。デスクトップの隅にあるボタンを押せばコンピュータの主要機能にアクセスするためのメニューが表示されるスタートボタンがなくなったことで、「今までできていたことのやり方がわからなくなってしまった」という人もいるだろう。また、ちょうどスタートボタンがあった場所にInternet Explorerのボタンが置かれたせいで、ついつい不要なブラウザを起動してしまってイライラしている人もいそうだ。
Windows 8.1では、スタートボタンがあった位置に新たなボタンが登場する。現状では「スタートティップ」と呼ばれているようだ。残念ながらWindows 7までのスタートボタンとは役割が違うようで、コントロールパネルやドキュメントへのリンク、よく使うアプリケーションのメニューが表示される、というわけにはいかないらしい。今のところ出ている情報では、ボタンを押すと起動時に表示されるタイルが並んだスタートメニューが表示されているようだが、マイクロソフトの担当者は「表示されるのはアプリビュー」だと言っている。
どちらにしても、Windows 7までの使い方の復活というわけではなさそうだから、あの使い勝手を求めるならば、すでに存在する“スタートボタン風”のものを設置して、機能を再現するツール類を使うことになりそうだ。
●パブリックプレビューは6月26日公開
もちろん、スタートメニュー関連の変更だけがWindows 8.1の変化ではない。先にも出てきた「アプリビュー」というのも、新機能の1つだ。これは今の「すべてのアプリ」に相当するものだが、スタート画面からいちいちメニューを呼び出すのではなく、下からスワイプするだけでアプリ一覧が表示されるようになるらしい。
また、アプリの表示順序を切り替える方法も盛り込まれるようだ。スタートメニューの動き自体も洗練され、並べ替えやグループ化ができるようになる。スタートメニューが使いやすくなる分、旧来のスタートボタンを復活させなくとも、スタートメニューに戻すだけで十分だということなのかもしれない。
このほかにもSkyDriveとの連携や、画面の表示カスタマイズなど、さまざまな部分に変化があるようだ。誰もが発売前に試用できるパブリックプレビューは、米国時間の6月26日から公開予定だが、すでに新機能を紹介する動画は公開されている。興味のある人はチェックしよう。
●正式アップデートは年内に無料で実施
正式版は2013年後半にリリースされる予定だ。リリース時にはWindows Storeからダウンロードすることになるという。アップデートは既存のWindows 8ユーザー全員が無料で行える。
独特な操作方法が特に注目されるWindows 8だが、起動/終了時間はWindows 7の頃よりも短くなっているし、動きそのものはキビキビしている。そういう基本的な部分はきちんとつくられているから、以前との違いに慣れられるタイプの人ならば、それほど悪くはないと感じるかもしれない。ただ、タッチだけでもマウスだけでも全部を快適には操作できない不思議なつくりになっている部分もあっただけに、どこまでWindows 8.1で使いやすくなるのかは注目したいところだ。
(文=エースラッシュ)