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広がる書籍等の自炊、多彩な方法/ツールの中から、目的により最適なものを選ぶために

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広がる書籍等の自炊、多彩な方法/ツールの中から、目的により最適なものを選ぶためにの画像1「Thinkstock」より
 紙媒体を自分でスキャンし、電子書籍化することを「自炊」という。iPadの登場と前後して流行し始めた自炊もすっかり一般化した。作業を請け負う代行業者が登場し、その行為に違法性があるとして裁判になったことも記憶に新しいだろう。

 そんな自炊だが、さらに取り組みやすい環境が整ってきたようだ。手を出しやすい方法から本格的な機材を利用したものまで、その手法を簡単に紹介しよう。

●キレイ&確実な基本の「断裁+ドキュメントスキャナ」

 作成したデータを読むことに重きを置いて自炊する場合は、本の背の部分を切り取ってばらばらにしてからスキャンすることになる。完全に平らなものになるから、ノドに近い文字がゆがんで見づらいだとか、影になって読めないということはない。

 ばらばらにしたものを効率的に読み込むのが、複数枚をセットして一気に両面を読み取ってくれる「ドキュメントスキャナ」だ。この分野で最も有名なのが、PFUの「ScanSnap」シリーズだろう。本格的に作業できる「ScanSnap iX500」のような、1分間に数十枚を読み込める上位機種を利用すると、文庫本1冊が数分でデータ化できてしまう。

 しかしドキュメントスキャナは、シート状のものしか読み取れない。それほどたくさんの本をデータ化するわけではない人や、本の形状のままの読み込みもしたい人は、普通のフラットベッドスキャナに自動読み込みができる「ADF」が搭載されているタイプを利用するとよいだろう。こちらは1分当たり数枚しか読み取れないが、少しずつの作業でよい、雑誌から抜き取った数枚ずつをデータ化したいという人にはちょうどよい。

●ダントツの手軽さ「スマホカメラで撮影」

 読み込んだデータのキレイさにはそれほどこだわらないが、手軽に処理したいという人には、スマートフォンのカメラをスキャナ代わりにしてしまうアプリが向いていそうだ。

 Android向けの「自炊カメラ FlipScanner」は、セットしたスマートフォンの前で本のページをめくるだけで自動的に撮影され、自炊できてしまうという仕組みになっている。カメラと本の位置関係を定めて固定する方法などは慣れるまで難しそうだが、慣れてしまえば本をバラしてスキャンするよりはかなり手軽だろう。

●立体もOK!本が傷みづらい「スタンドタイプスキャナ」

 本をバラしたくはないが、ある程度キレイなデータにしたいという場合、これまではフラットベッドスキャナを利用するのが一般的だった。もちろん、フラットベッドスキャナで地道に読み込んでもよい。ただ、家庭向けのA4サイズまでしか対応していないスキャナだと広げた雑誌などは収まらないし、ノドのあたりをしっかり押さえないとキレイなデータにはならない。なかなか苦労が多い方法だ。しかも、ぎゅっと押さえて開くせいでノドに開き癖がつき、少々本は傷む。

 ずっと保存したい大切な本ほど、自炊でデジタル化したバックアップを作るのが難しいというのが悩ましい。しかし、ようやく本をあまり傷めずにデータ化できそうなスキャナが登場した。本を開いた状態で上から撮影する要領でスキャンしてくれる、スタンド型スキャナだ。しかも、自炊用スキャナの定番である「ScanSnap」ブランドだ。

 上から撮影する形なので、ある程度立体的なものもデータ化できるし、無理にノドを広げることもないから本の傷みも少なそうだ。実は同じような仕組みのブックスキャナと呼ばれるものは以前からあるのだが、業務用のかなり大型かつ高額なものだった。個人が簡単に購入できる金額で登場したというのがうれしい。愛蔵の本をできるだけ傷めずにデータ化したい人にはお勧めだ。

●読むためには見開きスキャンでも十分

 本を断裁せずにスキャンする形だと、片ページずつスキャンするよりも見開きで1枚画像になる形の方が手早く処理できる。中身が読めればよいならば、それでも十分だ。多くの自炊データを読むアプリでは、設定を行えばデータを中央で切って片ページずつ表示する機能を持っている。逆に、2つのデータを並べて見開き表示にする機能もある。データ化さえしてしまえば、読み方は割と自由だ。

 どちらかというと、読み取った後の画像処理や、読み取り時の設定が重要だろう。読みやすい画質でありながら、扱いやすい容量に収まるデータを作るにはコツがある。読み取るものがテキスト主体の本か、マンガか、カラーグラビアかでも設定は変わってくるから、そのあたりはテクニックを紹介しているブログなどを参考にするとよいだろう。

BusinessJournal編集部

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