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世界的にも知られた、中国の大手AI企業、センスタイムの公式サイト
米国と中国の技術格差は“1.4年”
今年の春節シーズン、700万人が利用する北京首都国際空港では、乗客の搭乗券確認や荷物処理のスピードが格段に高まり、利便性が一気に改善したという。こうした空港の“ホスピタリティ”を支えているのが、前出のセンスタイムが開発した「Smart Passenger Security Check System」だ。
同AI顔認証システムは、99%の精度で乗客の顔を認識するというのだが、その結果、乗客のセキュリティ検査時間が以前に比べて1時間当たり180人から260人へと40%も増えたという。中国で開発されているAIは治安維持や監視だけでなく、着実に社会のインフラとして拡大している。ちなみに、Watrixの歩行認識技術も、犯罪捜査だけでなく、高齢者の転倒防止、スポーツ選手の歩行改善など、さまざまな用途で活用できるとして期待されてもいる。
最近、ドナルド・トランプ米大統領があらためてAIへの注力を宣言した米国では、GAFA、インテル、NVIDIA、AMDなどが、同産業を世界レベルで牽引してきた。しかし中国企業が急成長を見せるなか、両国の“格差”は急速に縮小しているといえよう。両国の動きを調査した韓国・情報通信技術振興センター(IITP)の「ICT技術水準調査報告書2017」によれば、米国と中国の技術格差は“1.4年”まで縮まっているという。
人工知能はネット空間のみならず、現実社会のインフラ、またプラットフォームになろうとしている。各国の技術動向については、凝り固まった政治的視点だけでなく、時にフラットな視点で俯瞰してみることも必要となりそうだ。
(文=河 鐘基/ロボティア編集部)
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