(5億人をつなぐソーシャル
ネットワークはこう生まれた) 」
(日経BP社)
BBCなどが報じたところによると、先月、オーストラリアの田舎町で珍しい強盗事件が起きた。発端は17才の少女が多額の現金を写真に撮り、それをフェイスブックに投稿したことだった。少女は、シドニーにある祖母宅で現金を数えるのを手伝っていて、その際、ついでに写真を撮ってネットにアップしたのだった。
するとそれから数時間後、シドニーから南西120キロのところにあるバンダヌーンという田舎町に2人組の強盗が現れた。バンダヌーンには、フェイスブックに写真を投稿した少女の母親宅があった。強盗は母親宅に押し入ると、金目の物を奪っていった。
強盗がどうやって母親宅を探し当てたのか、またどうして祖母宅ではなく母親宅を狙う結果になったのかは不明だが、地元警察はこの事件を受けて、ネットに情報を投稿する際には細心の注意を払うよう警告している。この事件では怪我人が誰もいなかったというのが不幸中の幸いである。
ネットに投稿された情報をきっかけにした事件は、ほかにも起きている。2011年、ドイツの某都市に住む16才の少女が誕生日パーティを開くことになり、フェイスブックで友人に告知をした。ところが、実はその告知は、すべてのユーザーに公開される設定になっていたのだ。
告知文には、少女の自宅住所も記載されており、結果、告知はフェイスブック中に知れ渡ることとなった。至る所で少女の誕生日パーティが話題となり、人々が続々と参加を表明した。少女はあわてて誕生日パーティを中止し、告知を取り消したのだが、悪ノリした人々は誕生日パーティに”参加”することをやめようとはしない。
結局、少女の誕生日当日の6月3日、少女の自宅前に1500人もの見知らぬ人々が押し寄せることになった。静かな街は大混乱となり、警察も多数動員される事態となったのである。