7月21日投開票の参議院議員選挙で議席を獲得し、大きな話題を呼んだ「NHKから国民を守る党」(以下・N国党)。NHK受信料を焦点にした論争が新たな局面を迎えたことで、NHKとN国党の攻防はさらに注目を浴びそうだ。
N国党は公式サイトで「NHKにお金(受信料)を払わない方を全力で応援・サポートする政党(政治団体)」との立場を明言。また7月28日付「NEWSポストセブン」記事によると、党代表の立花孝志・参院議員は「議員会館の受信料は国が払うんじゃないの?」「NHKとの『契約』は法律上の義務だからするけれども、『支払い』は別。受信料は踏み倒します」と発言している。
7月29日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、N国党の“NHKをぶっ壊す”というフレーズが小中学生の間で流行していると報道。コメンテーターのマツコ・デラックスはN国党について「これからじゃないですか?」と静観しつつ、「この人たちが本当にこれだけの目的のために国政に出られたら、それで税金払われたら、受信料もそうだけどそっちのほうが迷惑」と苦言を呈した。
N国党をめぐっては「日本維新の会」を除名になった丸山穂高・衆院議員の入党や、渡辺喜美・参院議員との新会派結成などがたて続けに報じられ、話題に事欠かない。
さらに、N国党の動きを受けて日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長は7月30日の囲み会見で、「現職国会議員の受信料未払いをNHKが認めるということになるなら、一般の人にも認めないといけない」とコメント。現職国会議員の不払いがまかり通る場合は、大阪市も支払わないとの考えを示している。
一方、NHKは7月30日、公式サイトに「受信料と公共放送についてご理解いただくために」と題した文書を掲載。そのなかで「『受信料を支払わなくてもいい』と公然と言うことは、法律違反を勧めることになります」「NHKは放送法や受信規約にのっとって適切に業務を行っており、明らかな違法行為などについては、放置することなく、厳しく対処してまいります」と警告した。
この警告文についてNHKは、「特定の誰かを念頭に置いたものではない」と説明しているが、タイミング的にN国党への牽制と、受信料不払いが拡大を抑制する狙いがあるのは明らかだろう。
NHKとN国党をめぐる状況については、ネット上でもさまざまな意見が飛び交っている。
「NHKは警告文を出すくらいなら、まず国民が納得できる受信契約の説明をすべき」
「立花代表は軽はずみな発言を控えて、慎重に政策を論じたほうがいいのでは?」
「丸山議員と渡辺議員が受信料をどうするのか気になる」
「N国党がどこまでNHKに踏み込んで問題点を追及できるか、興味深い」
賛否両論を含め、今後の推移に注目する意見が多い。
NHKと国政進出したばかりのN国党が歩み寄ることはあるのか。国会の新たな注目ポイントといえる。
(文=編集部)